Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「スケーリーフット〜ワニワニパニックとスケーリーフットの進化の過程」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。
スケアリーフット〜本当にあった怖い話
まずはホテル暴風雨・風オーナーからのコメントです。
スケアリーフットと読み違えて、UMAの類かと思いました。恐ろしい足。いるとしたらどんなUMAでしょうね? スケアリーフット。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) December 8, 2022
スケアリーフット。生足なのに鉄のウロコがついてるっていうのも怖いと言えないこともないですけれど。
めちゃめちゃ臭い足
— ぐっちー (@mousou_guccy) December 8, 2022
そっちか!
大学時代の友人がスケアリーフットでした
— ぐっちー (@mousou_guccy) December 8, 2022
実話か!!
それは超スケアリー!!😱😱😱🤣
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
本当にあった超怖い話でした。
熱水で洗えば大丈夫。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) December 8, 2022
あってよかった熱水噴出孔。
400℃くらいでな😏
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
匂いというか足もろともどうにかなっちゃうけどこれで安心です。
ウロコフネタマガイはスケアリーフット “scary(怖い)foot” ではなく スケーリーフット“scaly(うろこ状の) foot” ですのでみなさまお間違えのないように。
風オーナー、ありがとうございます。
スケーリーフット(ウロコフネタマガイ)は熱水で足を洗うか
ところで、ウロコフネタマガイは深海の熱水噴出孔付近に棲むということなのですが、それってすごく熱い場所? 熱湯? 高圧下の熱湯だからまさかの100℃超え?
それが気になるものの、ちょっと調べてもよくわからないのでぐっちーさんに聞いてみました。
ぐっちーさん @mousou_guccy 以外でもご存知の方いたら教えてください! #スケーリーフット こと #ウロコフネタマガイ は、何度くらいの水に棲んでいる(何℃に耐えられる)んでしょう。熱水噴出孔の近くと書いてあるけれどそこがよくわからなくて。すごく高温に強いんでしょうか?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 11, 2022
気になりますよね、これ。300℃で生きられるとかだったら生命の神秘すぎるのでは。
熱水噴出孔付近でも、水温は100℃を超えない数十℃程度だと思います
さすがに100℃を超えて生存できる種は極々少数で、原始的なのでは無いでしょうか— ぐっちー (@mousou_guccy) December 11, 2022
ですよね……
100℃超えのわけがないという気持ちと、いやいや深海底の神秘、何があるかわからないという気持ちが両方あってわかりませんでした。それでも数十℃なら常時お風呂に浸かりっぱなしくらいの感じですね♨️— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 11, 2022
さすがに100℃超えはなかった。
にしても、ところは高圧の深海底の熱水噴出孔付近、鉄の鎧を着たままで風呂入りっぱなし。いろいろエクストリームな生き物で興味は尽きません。
スケーリーフットことウロコフネタマガイは磁石で釣れるのか
ウロコフネタマガイ(スケーリーフット)のことを検索していたら「磁石につく貝」という記述が時々出てくるのですが、一方であの足のウロコの「鉄」は「硫化鉄」だとも書いてあります。ここでまた疑問が。
ぐっちーさん @mousou_guccy に質問です。ウロコフネタマガイは「磁石につく貝」という記述を見かけるのですが、あのウロコが硫化鉄ならば磁石につかないですよね。どういうことなんでしょうか。磁石で釣れるのかとか死後も磁性は維持されるのかとか気になります!🧐😃
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
「硫化鉄」を作る実験、中学校の時にやりました。鉄粉に硫黄を混ぜて加熱するとゆで卵みたいな匂いがして硫化鉄ができます。磁石を近づけてもあら不思議! さっきまで磁石についていた鉄が、全然反応しなくなっている!! ていうやつです。
同じ実験をした方もいらっしゃるかと思います。磁石につかないことが硫化鉄のアイデンティティではないのか?
グレイカイトという成分が磁性を持っているそうです
海上で飼育すると錆びてしまうそうなので、酸素が多いとダメなのでしょう
強力な磁石でスケーリーフット釣りができると面白いでしょうねhttps://t.co/X4pkg7ZWJE— ぐっちー (@mousou_guccy) December 8, 2022
グレ……イガ……!?
グレイガイト!? 何それ……と調べたら構造式がFe3S4で、硫化鉄の仲間だけれど磁性を持つのですね。そんなに磁石につきたいのかと言いたくなる😆紙の魚にクリップをつけて磁石で釣り遊びをしたのを思い出します。「深海生物縁日」をする時にはスケーリーフット釣りをぜひ出したいです(妄想)。
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
「グレイガイト」なんて初めて聞きましたが、硫化鉄も一種類ではないのでね。
中学の理科の実験で作る硫化鉄は硫化鉄(II)で組成式はFeS
ウロコフネタマガイの足のウロコに含まれるのは、
パイライト FeS2
と
グレイガイト Fe3S4
だそうです。磁石につくのはグレイガイトの方だけ。へえ〜!
と一人さびしく脳内へえ〜ボタンを連打していたところ、トリフィドさんからコメントいただきました。
磁石でスケーリーフット釣り、良いですね
スケーリーフットの墓場があったら、砂場で砂鉄集めをするように、グレイガイトだけゴッソリ集められそうです生態解明がまだ全然ですが、稚貝は見つかっているのでしょうか?
共生細菌がいることや、環境の厳しさから卵胎生では?と推測(妄想)したりも
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) December 8, 2022
スケーリーフットの密かな墓場。妄想をそそる絵です。
それに、卵胎生の可能性って、ええっ!?(ついていけていない)
とある鉱石が実はスケーリーフットの墓場だったり?(妄想😃)
共生細菌がいる→卵胎生という推測は、親が胎内で育てる時に細菌を貰っているのでは、ということですか? 稚貝の足はどんなか見てみたいです。それにしても、過酷な環境で暮らす細菌もいるんですね😲— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
細菌を親から貰えるということは、親子の接触機会が多いことを意味する→卵生だと接触機会が少ないはずだから卵胎生では?
という意味なのでしょうか、お聞きしました。
カメムシは盲腸にいる共生細菌を母虫が産卵した卵に塗り、孵化した幼虫がそれを摂食して取り込むそうなので、同様に母由来で垂直伝播してる?
生息可能エリアが局地的で、卵で生まれるとエリア外・生存適温域外に散逸しそうなので、稚貝まで体内で育てて産む?
の2点です
稚貝の可愛いあんよ見たい
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) December 8, 2022
なるほど、細菌が親由来だとしたら接触機会が多いはずというのはOKでしたが、それだけでなく、過酷な環境なので卵胎生のメリットが大きいはずということなのですね。
カメムシの細菌塗り塗り知らなかった、面白い😄
母子一緒の時期を何かしら有効に使うものなのですね。あれこれ納得。正解は、スケーリーフットの今後の研究に注目! ですね👍
稚貝の発見がまだなら、全世界のスケーリーフットファンが固唾を飲んで見守っているはず……ドキドキしますね〜✨— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
稚貝見たい〜!!
まだ成体が見つかっただけなので詳しいことは不明だと思いますが、タマガイの仲間だとすると卵塊を形成し、浮遊期間のない直達発生をするかもしれません
寿命もわからないのでこれからの研究に期待ですね— ぐっちー (@mousou_guccy) December 8, 2022
タマガイの研究ならば進んでいるのでしょうか? 稚貝も見られるか、楽しみ!
会場で飼育すると錆びるくらいですから、研究は大変そうですね。
(人間に捕まるだけで動物には災難でしょうけれど、生きながら錆びるとは気の毒さが半端ない……😭)— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
むやみに錆びさせたくはない、写真でいいから撮ってきてほしい〜!!
スケーリーフット(ウロコフネタマガイ)の研究を追う
さらに、トリフィドさんのドキドキワクワク推測は続きますよ。
雌雄同体の可能性もありますね
今後の研究結果が楽しみです🙂— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) December 8, 2022
雌雄同体!?
確かに、カタツムリなんかは雌雄同体だし似てるし……?
そんなことは一瞬も思いつきませんでしたが、雌雄同体とは何かを今一度考えてみる私であります。
雌雄同体とは一個体のなかにオスとメスの機能が備わっている生物のこと。「相手を見つけても同性同士だと生殖して子孫を残せない」ということが起こりえません。環境が過酷、個体密度が低い、移動するスピードが遅いなど出会いの少ない環境では雌雄同体であることが有利に働くと考えられます。
雌雄同体ならば相手を見つけなくても一個体で生殖できるのでは? と考えがちですが、それが可能である生物であっても、自家受精を行うことは稀だそうです。自分とは違う相手を見つけた方が遺伝子が多様化して生存に有利だと本能で知っているからなんでしょうか。相手探すとか面倒くさいのに凄いです。ものぐさなやつはいないのか。
自家受精で殖えていくのなら雌雄同体よりも無性生殖の方が使うエネルギーが少なくて良さそうですし、「相手を探すの面倒くさい」派のものぐさ系統は滅んでしまうか無性生殖に進化するかどっちかなのかも?(注:妄想です)
幼体と成体を解剖して雌雄同体であると明らかに、という報告がhttps://t.co/MaaRETmOId
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) December 8, 2022
えっ、本当に雌雄同体だったのか!(妄想レベルの違いに驚愕)
リンク先の記事をこちらにも載せます。
ドラゴンの心臓:’スケーリーフット腹足類’(軟体動物門:腹足綱:ネオンファルス目)の3D解剖学的再構成はその驚くべき循環系を明らかにする(国立科学振興機構のホームページ)
すごい、早くもいろいろ判明して、雌雄同体も的中!
共生細菌が尋常でなく重要というのも興味深いなあ。あと、「くし鰓」って初めて知りました。独特の翻訳調だし難しかったけれど面白いです。ちょっと変わった生き物について調べると毎度思いますが、過酷な環境でこそ得られるものって大きいですね😲— SAITO Ukyo (@ukyo_an) December 8, 2022
ややとっつきにくいですが面白い内容でした。思いがけない場所に変わった生き物がまだまだいるかと思うと本当にワクワクします。
トリフィドさん、どうもありがとうございます!
今回のページトップの絵はこれでした。
何のひねりもなく描いただけなんですが、スケーリーフット、こんなに「描きたい欲」をそそられる生物っているでしょうか。いるか。いっぱいいるか。
でもやっぱり、絵を描く人たちに聞きたい。これは描いてみたい! と思いませんか。私は思います。だからただ描いてみました。けっこう形は取りやすく特徴は捉えやすく、それっぽく描くのは簡単で、色を塗るのが超楽しいです。色違いむやみに描きたい。ですが、足のひらひらしている部分が「ウロコ」であってオウムガイみたいな「細いたくさんの足」ではないことが少し表現しにくいです。超リアルに描けば伝わるんでしょうが、そういうの描きたいわけじゃいし……あ、オウムガイも描きたい欲そそられランキングかなり上位だよね……と、またまた何のひねりもなく「描いてみた感想」でした。
では今回はこれにて。
次回は番外編、妄想旅ラジオ第65回「ぐっちー家族旅」 で放送された、ぐっちーさん一家のイギリスへの家族旅行レポートのテキスト版をお送りします。ぐっちーさんと奥様とお子さん二人の一家四人で、イギリスの湖水地方に義理のお姉さんご夫婦を訪ねるという旅。現地の暮らしを垣間見たり、観光もしたり、同じ土地に行ったとしてもなかなか得られない経験をぐっちーさんが語ってくれます。コロナ以前の海外旅行レポートという点でも、今こそ価値のある内容のはず、どうぞお楽しみに!
ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。