ぐっちーさんと話そう<7> 日々是不要不急

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こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

先週のぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第7回 (番外編) 帰省〜コロナ下における帰省は不要不急か。あなたの決断を尊重します」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイ、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第7回「新春縮小版」もお聴きになるとよりお楽しみいただける内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

要も急もそっちのけな質問から

まずは先週のエッセイの趣旨からかなりずれるとは思いつつ、気になったことをお聞きしてみました。

世界は狭くなっている、日本全国が均一化している、などと言われる昨今ですが、そうは言ってもその土地固有の風土・文化・風習というものは存在します。地元の人は当たり前だと思っていて、なおかつさりげないものほど、残って行くのでは? という希望というか妄想というか幻想を大いに持ち、そういうローカル話が大好物な私としては「北海道から関西への毎度の帰省」には絶対何かがある! と食いついたわけです。皆さんも気になりませんか?

ええっ!?

北海道の室内は暖かくて半袖で過ごすなどという話は時々聞きます(これは本当なのか?)が、関西の方が寒いとはこれいかに。

沖縄への旅で思いついたこんな超絶グッドアイディア(旅慣れている人には多分、至極当然の習慣でしょうが)も不要だとは。

防寒具のレンタルや滑り止め!?
北海道あるあるが聞き出せて満足な一方、やっぱり北海道の方が寒いのではという疑惑が拭い切れず。

しつこく聞いてみたところ

なるほど「寒いから外に出ない」というのが一番の北国あるあるというか、寒い土地の知恵というか、地域特異性なのですね。空港での防寒具レンタルも、わざわざ寒いところへ来て外を歩こうという観光客にこそアピールするサービスなのかもしれません。納得です。有用な情報(今すぐ旅には出づらい状況なので不急の知識かもしれませんが)が得られて、大満足です。ぐっちーさんありがとうございます!

不要不急の極み、それはカラオケ!?

さて今回のトピックは「不要不急とは何か」ということ。先週のぐっちーさんのエッセイでは、 「カラオケについては世の中で最も不要でかつ不急なものの代表例であると私は思っている」という言葉が非常に印象的です。何かカラオケへの憎悪さえ感じられるような。しかし合理的に生きたいが非合理なもの(不要不急なもの)を排除しては人生の楽しみがなくなるという言葉もあり、ぐっちーさんとカラオケの距離感や関係性にドキドキハラハラヒヤヒヤさせられるスリリングなエッセイです。そう感じたのは私だけではあるまい、と思っていると、果たしてシャルル大熊さんからこんな質問が。

それ知りたいですよね!

おおー

タイトルでピンとこない方も、飛んだり回ったりするやつと言えばあれか? と想像がつくでしょう。調べると、1978年のヒットソングらしいですが、リアルタイムで知っているかどうかに関わらず日本に住んでいれば耳にしたことはある歌なのでは。ということはぐっちーさんがいちばん最近カラオケで歌ったのは、1978年以降であることしかわかりません。みなぎる不要不急感。

もっとも遅くて2005年ということですね。恐れ入りました。

シャルル大熊さん、ありがとうございます!

カラオケ不要不急説をさらに深掘り

改めてぐっちーさんとカラオケの関係について思いを巡らせていると、ぐっちーさんがこんなアンケートを実施!

実は私も「カラオケ」に投票しました。なぜかというと、人にもよるでしょうが「要」度はどれも似たり寄ったり、不要といえば不要です。

ですが「急」度に差があります。花見は今行かないと花が終わってしまう、送別会は送られるべき人が行ってしまう、合コンはいいメンバーがいつでも揃うわけではない、など期間限定感がすごくあるのに対し、カラオケはいつでもいい感じがします。歌いたい曲が「無想花」ならなおさらです。これがあと50年くらい経つと、「この曲を知る人が生存しているうちに歌いたい」などと思うのかもしれませんが……。アンケート終了に際してのぐっちーさんのコメントはこちら。

カラオケ好きなの嫌いなのどっちなの……ますます気になります。

で、思ったのですが、私もカラオケへの希求が強いかといえばさほど強くありません。その理由の一つとして、「歌いたければいつでもどこでも一人で歌えばいい」というのがあります。行けば楽しいけれど代わりがきかないまでではないというか。

ここに挙げた行為を感染リスクが低くなるよう工夫するとしたら、花見は自宅でVRで一人花見。送別会はオンライン送別会。合コンもオンライン合コンが可能でしょう。これらに比べると「一人でうちで歌う」というのは、なんとなく鼻歌を歌う程度のことならば別に感染症関係なくカジュアルにすることです。そこにカラオケというか歌うという行為の曖昧さ特殊さがあると感じました。カラオケ欲が「みんなと一緒にリアルに楽しみたい」「歌を聴いて盛り上がってもらいたい」などの「社会欲」へはみ出す度合いが大きい人にとっては、「要」「急」度が高くなり、ただ単に歌えばいい「個人欲」の高い人には低くなるという傾向はありそうです。もちろん歌なんか歌わなくていいという人にとっては不要不急の極みです。

そんなわけで、「要」にも「社会的に要」「個人的に要」の違いは大きいと考え、作ってみたのが冒頭のマトリックス図です。社会といっても社会全体という広い意味に限らず、友達や家族など人間関係に関わるものは「社会的」と分類、自分一人の中に生じるものを「個人的」と分類しました。もちろん私の個人的見解です。

なお、「要」なもので急がない、いつでもいいというのはあまりないのでは?と考えたため、要なものは必然的に急でもあるとしました。横軸が社会的に要かつ急(右のほうが度合いが高い)、縦軸が個人的に要かつ急(上に行くほど度合いが高い)を表しています。

もう一度こちらにも掲載します。

もっとあれこれ書き込みたかったのですが、書けば書くほど人格を疑われそうな図が仕上がってきたので、ぐっちーさんの書かれた項目をいくつか選ぶにとどめました。(「猫」だけはオリジナルに追加)

「トイレ」の個人的要かつ急度がほんの少し低いのは、坂の餅さんのこちらの発言にインスパイアされたためです。

そうです、やはり不要不急にはならなそうなのです。坂の餅さんありがとうございます!

みなさんも、社会的側面を全部取り去って「要」「急」度を考察してみると、自分の人格が疑われて楽しい時間が過ごせるかと思います。ぜひ。

では今回はこれにて。
次回は「マメ」がテーマです。妄想旅ラジオ第8回「マメ」 に対応しています。「生き物」というと動物限定かと思いきや、初の植物が登場する記念すべき回。どうぞお楽しみに。

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージは、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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