ハシビロコウだってずっと動かずにはいられない ぐっちーさんと話そう<72>

「盆栽ハシビロコウ」の誕生 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ハシビロコウ〜ハシビロコウが動かないだけで人気なのは納得いかないけど面白い生き物ですよね」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ビル様を偲んで

早速、先週のエッセイを読んで疑問に思ったことをぐっちーさんに質問してみました。

ビル様もかつてお見合いくらいは経験しているのか、どうなのか。調べても「ハシビロコウの繁殖は困難」という情報ばかりでさっぱりわからなかったのです。

うーむ。

何もかも謎だらけのようです。野生のハシビロコウに密着する番組を見たことがあるのですが、「動かない」だけでなく、繁殖期以外孤独を好むことや長子超・優先の人間目線では残酷な子育てをすることなど、非常に印象的でした。飼育下であれを再現、と考えるだに頭が痛くなるような。

でも神戸&高知での国内初の繁殖の試みはすごいです。雨期と乾期を作り出すって、もはや世界の再構築では。神戸どうぶつ王国のみなさま、高知県立のいち動物公園のみなさま、頑張ってください、期待しています!!

モテるハシビロコウとは

ポチ子さんからコメントいただきました。

鳥好き憧れの花鳥園。ふたばさんの写真つきツイート、ありがとうございます! いいポーズをとってくれてますね〜。

そして確かに今どきは、外見から性別がわかりにくくても、DNAが採取できればすぐにわかってしまいます。便利。

いや何度見返してもいい写真。

は、さておき、ハシビロコウのモテポイントってなんなんでしょう。

全員が動かなさをアピールしまくる「だるまさんがころんだ」

見てみたいものです。妄想するだけで愉快です。

ふたばさん結構動くのか。

人間にはモテモテですね。それも、「キャー! 動いた!!」という、ぐっちーさんが納得しないタイプのモテモテであります。

動かないのは、食料ゲットのためのスキルなわけです。優れたスキルを持っていた方がモテるのならば、動かない方がモテるといえましょう。ですが、多動にもかかわらず漁が上手だったらどうか。そっちの方が意外性もあるしモテるのでは? と思ったのですが。

実家の太い奴って。

ぐっちーさん、なんだかやさぐれてませんか? 大丈夫!?

いや、でも確かに、進化のルールに限らず、こうすべきと信じて行動していたのに時代の変化に裏切られるということはあるものです。

人間もハシビロコウも大変です。

ポチ子さん、どうもありがとうございます!

ハシビロコウの写真を見ているとあの独特の風格と「動かなさ」とは不可分な気がしてきます。野生のハシビロコウは肺魚を唯一の食料とし、肺魚を取るのに特化したスキルこそが「動かない」ことらしいので、実際には肺魚と「動かない」が不可分と言えそうです。

一方、飼育下のハシビロコウは肺魚以外も食べるとか。

肺魚の数が減っていることがハシビロコウが絶滅の危機に瀕している大きな理由ということなので、野生のハシビロコウも他の魚をとって食べることに適応すれば別の道も見えてくるはずなのですが、そんなに急に変われない?

形骸化し無意味化しはじめていたルールでも、最初に破った人はみんなに怒られるもの。誰かがやった方がいい行動とはいえ勇気がいることでしょう。ハシビロコウにとって「肺魚を食べる」というのはルールとは違うかもしれませんが、本能行動に反するというハードルの高さはルール違反以上なのか、どうなのか? 別の魚を獲って食べるハシビロコウは現れるのか、その最初の一羽登場の瞬間を見てみたい!

今回のページトップの絵は、新たなモテを追求して頭に盆栽を乗せてみたハシビロコウ、という妄想です。

何かと頭に盆栽を乗せたがる私ですが、「盆栽乗せるとモテる」世の中が来ないものかと期待しています。盆栽乗せてこその人生。

というわけで、今回はこれにて。

次回のエッセイのテーマは「アリ」です。妄想旅ラジオ第73回放送「アリ」と関連した内容になります。ラジオでは、ぐっちーさんのアリの社会性のお話他、たまさんの、各国の国民性を表す「ホフステッド指数」のお話や、ポチ子さんの、「アリは調味料だ!」というお話など、毎度ながら意外な切り口が楽しめます。エッセイの予習がてら、聴いたことのある方も初めてという方も、ぜひ聴いてみてください。次回のエッセイもどうぞお楽しみに!

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