Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「レンカク〜一夫一妻制の人間でよかった」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。
「包容力とは」へのわかりやすいアンサー
シャルル大熊さんからコメントいただきました。
脚がたくさん生えているレンカクの写真を見ました!これはすごい!
翼の下に複数の雛を持って運べるんですね。こんな鳥は他にもいるのでしょうか?— シャルル大熊 (@charles_okuma) June 9, 2023
脚いっぱいのレンカク、これ、みなさんぜひ見て欲しいです。「レンカク 足」で検索してみてください! で、ヒナの足がどのへんから出てるのかが不思議なので観察してみてください。
ヒナをどうやってホールドしているのかが気になりますよね。鳥の翼は羽ばたく力だけでなく、挟む力もけっこう強いんでしょうか?
— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 9, 2023
鳥は大抵軽いしヒナなら尚更ですが、とはいえ。
挟んでそうですね
最大の敵はメスなので、逃げ足が速いです— ぐっちー (@mousou_guccy) June 9, 2023
体格差があってメスの方が大きいみたいですから、逃げるのも大変そうです。
羽の中に避難させる鳥はいると思いますが、足が生えた状態で移動もできるなんて珍しいと思います
ホラーですね— ぐっちー (@mousou_guccy) June 9, 2023
「包容力のある人がいい」なんてよく言いますが、「包容力」ってどうにも抽象的に過ぎて意味がわからん。と、昨日までは思っていましたよ。レンカクが教えてくれた。ヒナを何羽も挟んで運べる、これぞ包容力では!?
シャルル大熊さん、どうもありがとうございます!
バグ親子
動物の行動の多くが「本能」のプログラムに従っているといいますが、そのプログラムがけっこうゆるゆる。一見ダメじゃん、と思わせるものの……
動物の行動は人間からは残酷に映ることもありますが、異種の子を育てたりなど、「本能」と一見相容れない行動も見られます。これは本能に反するというより本能が意外と柔軟性のあるものじゃないかという気がするのですが(その方が多様な個体が出て有利)、ぐっちーさんはどう思いますか?
— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 8, 2023
あまりにキッチリと合目的的なプログラムでは環境の変化に対応できないから、ゆるい方がいいんじゃないかとも思えます。どうなんでしょう?
カッコウの托卵を考えた時、何をもって保育の対象とするか
とりあえず巣の中にいる雛に餌をやるというプログラムに従って餌をやった結果、別の種を育てていたことになります
今のところバグを突いた状態ですが、いつパッチが当てられるか不明ですね
既にデジタル生物と言えるのかも— ぐっちー (@mousou_guccy) June 8, 2023
子孫繁栄のための育児スキルを他の鳥の子に使ってしまうなんて、バグには違いないですよね。
托卵もそうですが、(野生動物じゃないですが)犬が猫の子を育てたり、他にも、異種間交配というものが思ったより多く、進化の原動力のひとつだと聞いたこともあって、あえてパッチを当てない方が良いからそうなってるのかという気もするのです。バグ上等ゆるデジタルなのかも?
— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 9, 2023
でもバグの一つや二つないと逆に生き残れないんじゃないかと思うわけなのです。
カッコウと同じような大きさで、托卵を許さない鳥は既に修正パッチがあてられていると考えられます
昔はメジャーだったけどXPじゃないと動かないプログラムのために更新できないパソコンのようにやむなく托卵を許しているのかも— ぐっちー (@mousou_guccy) June 9, 2023
たしかに托卵を許さない鳥もいます。この違いが謎ですね。
親子丼とフグ毒
ポチ子さんからコメントいただきました。
今、親子丼を作ってて、人間はニワトリの親も子も食べちゃうんだなぁと思いました。人間って思いやりもあるけど、戦争もするし、案外動物的な本能丸出しで生きてる気がします。でも食物連鎖の頂点?に君臨しているから、やっぱり人間でよかったです。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) June 9, 2023
親子丼いいなぁ〜
親子丼の命名の節操のなさはすごい!けれど美味しい……。
暴走気味の本能を全開に繁栄してきた人類の食文化の粋のような食べ物ですよね。食べ物があるだけでありがたい一方、やっぱり美味しいものは食べてみたい。というのも本能なんでしょうか。美味しいものが味わえる人間でよかったと思います。— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 9, 2023
本当に節操がない。豚の肉を豚の腸にギュウギュウ詰めて食べる「腸詰」なんかも相当ひどい。でも美味い。罪深い。
特に信仰心のない私ですが「原罪」という概念の発明は必然だと思います。
味覚センサーの感受性の問題だけのはずなのに、なぜ味で幸せを感じるのでしょうね
— ぐっちー (@mousou_guccy) June 9, 2023
美味しいもののもたらす幸せって、あれはかなりのモノですよね。
生きるのに必要な栄養を美味しく感じるようにできているんでしょうね。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) June 10, 2023
美味しさは生の謳歌の味なんでしょうか。
そうですね。即戦力のエネルギー(糖)がすごく美味しかったり。
一方で体にあまり良くないものを美味しく感じもします。これもバグかもしれません。私は、知るほどに生命は「バグが味」という気がしますし、生命自体宇宙のバグじゃないかと思います。誤作動の原因を虫(バグ)と呼ぶのも味わいです。— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
美味しくて食べ過ぎる系とか、ジャンクフード系とか、タバコアルコール薬物系とか、人類にはいろいろあります。生命誕生というのがそもそも、「散らかってた部屋が突然分子運動で片付いた」レベルの偶然というかバグというか、奇妙な事象に思えます。明らかにエントロピー減少してますしね。
脳はよく勘違いしますからね〜バグのせいですね😵
— ポチ子 (@mousou_pochiko) June 10, 2023
この勘違いがまた、なかなか捨て難いんですよね。
いやどうだろう? 勘違い、なくてもいいのかな?
などと考えていると、トリフィドさんからもコメントが!
孵化する子供のお弁当に未受精卵を産み足す生物がいたり
テトロドトキシンフリーの餌で育てた無毒フグが“精神不安定”(攻撃的)になったり
飢餓や繁殖失敗のほうが生物一般の常態で、その上に概ね満たされているのが定常的なヒト(生物×文化)が乗っかっているのかなと思います
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) June 10, 2023
えっ、お弁当に一品追加で生卵……? すごいな。それにフグも。
無毒フグが攻撃的になるって面白いなあ。毒の代償行動?
「飢餓や繁殖失敗が常態」
たしかに! 野生動物の最メジャーな死因はたぶん「生きたまま食われる」でしょうし
目標達成へのプロセスだけでなく失敗した時の対策こそ大事とよく言いますが、その点は自然からまだまだいくらでも学べそうですね— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
「飢餓や繁殖失敗が常態」
大事なことだからもう一回言っちゃいました。自分が言ったんじゃないですけど。本当にそうですね。失敗して当たり前のチャレンジをし続けて生きているのです。
養殖のフグは攻撃的で歯を抜かれるようです
— ぐっちー (@mousou_guccy) June 10, 2023
えっ!?
!
— ポチ子 (@mousou_pochiko) June 10, 2023
!!!!
毒を抜かれ歯を抜かれフグは大変ですね😱
— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
フグの受難ぶりがひどい。
生きたまま食べられてもあまり辛くないように痛覚は最低限、という進化もしてそうですね
フグの抜歯!
検索したら、かなり人の前歯に似ていて、画像だけ見たらフェイク画像と思ったかもしれません🐡🦷
作業効率のためとは言え、ちゃんと麻酔をする方法の特許もでてきて安心しました— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) June 10, 2023
麻酔、せめてもの慰めです。
生きたまま食べられるのが常態ならそうなりそう……
「妄想旅ラジオ」でぐっちーさんのお話にあった、ナマケモノが、オウギワシに狙われたら諦めて脱力してしまうというエピソードを思い出しました。
フグの歯、私も驚いてフェイクかと! ヒトの歯と似ているので麻酔抜歯技術が早く確立したのかも?— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
これもみなさん検索してみてほしいです。フグの歯、人間ぽいです。抜いた歯を差し歯とかにリユースできないものか。天然差し歯。とかまた節操ないこと考えてます。
テトロドトキシンは、フグ以外の魚には苦味として検知されるが、フグ同士では美味と検知される(餌から摂取したテトロドトキシンを体内に蓄積して自己防衛するために、積極的に摂食する)といったお話を、科博のセミナーで伺いました
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) June 10, 2023
おお〜! 美食傾向にかけた戦略。
フグにしてみると甘いお菓子みたいに美味しいのか、苦味が美味しいコーヒーみたいなものなのか、興味はつきません。
フグは美味しい〜と、食べてるのか!(魚の「感じ方」がそういうものかはさておいて)
フグ毒は生まれつきじゃなく食べ物だというのは何となく聞いたことがあったのですが、体に必要なものを美味しいと思うセンサーに頼っているというのが面白いです— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
どんな栄養素が生きるために必須か、それとも毒か、生物は本能で知ったり親や先輩を見習ったりして知るわけですが、「味覚」に従うというパターンもあるわけですね。それって本能で知っているのと同じことなのか、必ずしもそうではないのか、これまた興味がつきません。猫の好き嫌いとかパンダの笹の好みとかの不思議にも繋がりそうです。
防衛に使っているので、体内量が少ないと無防備で頼りないという感覚なのかもしれないですね
人間に例えると、パンイチで外を歩いちゃっているような?
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) June 10, 2023
うーん、それを聞くと、眠いからコーヒー飲んどこう、に近いような気もしてくる……。
なんかスースーして不安だし食べとかなきゃ
みたいな感じなんでしょうか😆— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
毒が不足だ、という感覚。味わってみたい。
それでやってることが、他の🐡の稚魚を捕食してテトロドトキシンゲットなので、北斗の拳とかマッドマックス…
レンカクも厳しいですが、フグも厳しい
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) June 10, 2023
そ、そうか共食いか。しかも赤子か……(本当に味わってみたいか考え中)。
ですよね〜
人間は、というか日本は平和でありがたいです。まるで砂上の楼閣というか、マッドマックスの上の蜃気楼に住んでいるようなものですね— 斎藤雨梟◆5/21文学フリマ東京B27(ホテル暴風雨)ありがとうございました! (@ukyo_an) June 10, 2023
人間は平和だ、と言い切るには確信を持てない世の中ではありますが、何だかんだで多くの野生動物よりは平和なのでしょうか。平和は高度進化の証。理想郷でみんな仲良く暮らす、なんて世界を実現させるのは難しそうですけれど、霊長類たるもの「とりあえず戦乱はない」くらいまでは進化したいものだなあ。
ポチ子さん、トリフィドさん、どうもありがとうございます!!
さて今回の絵。
「レンカク男子」がモテモテな時代が来ているんじゃないかなと。脚はちょっと長過ぎてアレですが、育児スキルが高く、凶暴女子のアプローチからは原則、一目散に逃げて子供を守る。理想のお父さんはライオンとかよりレンカクじゃなかろうかと思った次第です。
では今回はこれにて。次回のテーマは「カッパ」。妄想旅ラジオ第78回「カッパ」に関連した内容です。ぐっちーさんによるカッパの捕まえ方レクチャー、ポチ子さんの「オリジナル妖怪」創作、たまさんの、カッパが入っているわけじゃないのに名前にカッパがつくあの有名お菓子のキャッチコピーの歴史、などなどたっぷり楽しめる名作回。こちらもぜひ聴いてみてください。エッセイはどんなお話になるのか、次回もどうぞお楽しみに!