ジュロウのお料理教室

メアオ

みなさまこんにちは。ベルボーイのメアオです。得意料理は「はちみつパン」です。ウィンタースポーツが楽しみな季節になりましたね。といっても、ホテル暴風雨の島は、年によって違うものの、冬でも比較的暖かな場所にあることが多いのですが。今日は、当ホテルのシェフ・ジュロウさんに、ご家庭でも簡単にできる美味しい料理を教わろうと思います。

メアカ

同じくベルボーイのメアカです。メアオくんは、私と違ってアウトドア派なんですが料理も上手です。私は作ってもらってばっかりですが、お手伝いはしていますよ。いんげんの筋を取ったり、ジャガイモの皮をむいたりは得意です。今日は、フレンチの一品ではなく、シェフがプライベートで夜食に作るような、誰にでも簡単にできるお料理を、とリクエストしたのでとても楽しみです!

ジュロウ:こんにちは。シェフのジュロウです。

メアオ:シェフ、よろしくお願いいたします。

メアカ:さっそくですが、今日はどんなお料理を教えていただけるのでしょうか。

ジュロウのお料理教室1illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ジュロウのお料理教室1illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ジュロウ:今日はこちらの「オニフスベ」を使った手軽にできて美味しい「お茶漬け」をご紹介いたします。私もよく作って夜食に食べています。

メアオ:その巨大なボールみたいなものがオニフスベですか?あの、調査によると、これをご覧になっているのは主にニッポンのみなさまなのですが、それは本当に「手軽に手に入る」食材なのでしょうか。

ジュロウ:もちろんです。ニッポン特産のきのこです。そのへんによく生えています。近縁種はニッポン以外の世界中にありますよ。

メアカ:それなら安心ですね。私は初めて見ましたが。

メアオ:……ニッポンのスーパーマーケットなどで売っている食材で代用することはできますか?

ジュロウ:お店に買いに行くなんて面倒ではないですか!でもまあ、どうしてもという場合、他のきのこでもいいでしょう。もしくは、きのこではありませんが、はんぺんの方がむしろ食味が似ています。

メアオ:なるほど、確かに見た感じもはんぺんに似ていますね。

ジュロウ:このオニフスベ、あまり育って色づいてしまったものは美味しくないので気をつけてください。まだ色の白いのがいいです。これを適当に一口大にちぎって軽く湯がいておきます。次に、そのへんでマンドラゴラを採ってきます。

ジュロウのお料理教室2illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ジュロウのお料理教室2illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

メアカ:これがマンドラゴラですか。引き抜くときに悲鳴を上げるだとか、その悲鳴を聞くと発狂するだとかという話がありますが、迷信ですよね?

ジュロウ:なに、発狂しやしません。たまに驚かせてやれと悲鳴を上げる場合もありますが、気にせず引っこ抜きましょう。

メアカ:迷信じゃないんですか!?

メアオ:シェフ、マンドラゴラは「そのへん」なんかに生えてませんし、だいたい人間の方には毒なのですが。

ジュロウ:えっ?そうでしたっけ?しょうがないなあ、このピリッとした刺激が美味いんだが。じゃあ、三つ葉とか紫蘇とか適当な薬味を入れてください。海苔を入れてもいいです。さて、湯がいたオニフスベと、好きな大きさに切ったマンドラゴラ……じゃない、薬味を器に入れたら、お湯を採りに行きます。アマゾンの「沸騰する川」ことマヤンチュアクの水なんかがおすすめです。お湯をかけたらできあがりですよ。

メアカ:沸騰する川ですって!?

メアオ:シェフ、あの、これをご覧になっているのはニッポンの方々なので、アマゾンの奥地にお湯を採りに行くというのはちょっと……

ジュロウ:なに、さっとひとっ飛びですよ。

メアカ:そういえばシェフは飛び立つと一瞬で見えなくなりますが、どれくらいの速さなんですか。

ジュロウ:大したことはありません、マッハ10くらいです。アマゾンが遠いならば、ニッポン各地にある温泉のお湯でもいいですね。

メアオ:おうちにある水を沸かしてもいいですよね。

ジュロウ:わざわざお湯を沸かすのは面倒ではないですか!どうしてもというならば構いませんが。その場合、だしを入れたり塩で味をつけた方が美味しいでしょうね。

ジュロウのお料理教室3illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

ジュロウのお料理教室3illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

メアカ:美味しそうですね。私たちはマンドラゴラを食べても大丈夫なのかが気になりますが……。

ジュロウ:味がなくて特に美味しくないなどと言われるオニフスベのおすすめ調理法です。あ、そうだ、大事なものを忘れていました!

メアカ:な、なんでしょうか今度は!?

ジュロウ:最後にごま塩を振ってください。すりごまと塩でもいいですね。

メアオ:びっくりするほど普通ですね。意外です。

ジュロウ:私の師匠は一流のシェフですが、個人的にはごま塩が大好きで、何にでもごま塩をかけないと気が済まない人ですので、つい影響を受けまして。

メアカ:美味しいですよねごま塩は。今日はどうもありがとうございました。

メアオ:えーと、まとめますと、ちぎったはんぺんに三つ葉などお好みの薬味をのせ、沸騰しただし汁をかける、仕上げにごま塩、と。これはなかなか美味しそうです。みなさまもぜひ、作ってみてくださいね。

ジュロウシェフ・初登場の回はこちらをご覧ください!

ホテル暴風雨には世界一ロックなシェフがいます。でも「ロックンロール」ではありません。そして、すっかりホテルライフを楽しみつつも何かを探っているらしい「謎の客人」が、シェフと初対面!何が起こる!?

「ホテル暴風雨の日々」続きをお楽しみに!暴風雨ロゴ黒*背景白

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