将棋ストーリー「王の腹から銀を打て」第39回
いよいよ「第二回こども将棋大会」の日がやってきた。福祉会館六階の会場は将棋好きの小学生たちでうめつくされた。 ちらほらとだが、応援の父母の...
心しか泊まれないホテルへようこそ
いよいよ「第二回こども将棋大会」の日がやってきた。福祉会館六階の会場は将棋好きの小学生たちでうめつくされた。 ちらほらとだが、応援の父母の...
日曜日、トモアキとジュンはそ知らぬ顔でカズオのうちに現れた。 「おれ、野球やめた。これからは毎日曜、将棋やる」 「ええっ? 将棋やめるっ...
同じころ、トモアキとジュンも会っていた。ジュンがトモアキのうちの前で待っていたのだ。 「おれはサイテーかもしれないけど、誤解は解いておきた...
なぜぼくがあやまるんだ? ぼくは一生けんめい将棋をやった。ジュンは野球で忙しかった。ぼくの方が強くなった。それがあやまらなきゃいけないことか...
トモアキは眠れなかった。ジュンに対する怒りと自分に対する怒りで、心がこわれたバイオリンみたいにギイギイ鳴った。 トモアキは4級になった...
「そんなのおれだって同じだよ。将棋ばっかやってないで勉強しろってしょっちゅう言われる。親の口ぐせみたいなもんだ。気にするなよ」 「トモアキ...
こども将棋大会のチラシは宮原さんのところにまとめて送られてきていた。それをこれから地域の小学校や公民館、児童館や学童クラブに配って掲示しても...
「チェスクロックか。あれは慣れといた方がいいな」 と、シュウイチは言った。 「使い方、難しいんですか?」 「いや、使い方は簡単すぎるほ...
夏休みも終わりが見えてきた八月下旬の日曜日、トモアキとジュンはカサをさして西公民館への道を歩いていた。 「おれたちは不利だよな。一人っ子は...
みんなの実力が上がってきたので、シュウイチが教えることもレベルアップしている。 できる限り感想戦をやるように、と言う。 感想戦というのは...