KDP(kindle direct publishing)の売上レポートを見ていて妙なことに気がついた。
1冊あたりのロイヤリティが増えているのだ。
たとえばペーパーバック『プロの絵本作り: 本気で絵本作家を目指す人に』(定価1000円 税込1100円)はアマゾンの規約により、
1000円×ロイヤリティ率(60%)-印刷コスト(395円)=205円
が1冊販売当たりのロイヤリティとなり、これまでずっとそうだった。
しかし昨日販売された分は265円と報告されている。60円多い。
同様に昨日と今日売上があった『プロの絵本作り: もう一歩進みたい人の上級編』は従来1冊あたり印税205円であったところが265円に、『猫が21歳になりました: 慢性腎臓病の診断から1400日を生き抜いて』は従来1冊あたり印税201円であったところが285円になっている。
印税が増えるのはありがたいがこれは何だろう?
増額分を見ていて思い当たったことがある。これはちょうど消費税分のロイヤリティ率(60%)に相当しているということだ。
KDPペーパーバックのロイヤリティ率60%は希望小売価格(税抜き)にかかる。上の計算例のとおりだ。しかしこれを税込み価格に変更すれば、
1100円×ロイヤリティ率(60%)-印刷コスト(395円)=265円
となる。
希望小売価格1400円(税込1540円)の『猫が21歳になりました: 慢性腎臓病の診断から1400日を生き抜いて』も、
1540円×ロイヤリティ率(60%)-印刷コスト(639円)=285円
となり、ぴったり計算が合う。
計算は合うが、アマゾンから規約改正の知らせは届いていないし、自分から見にいってみても当該箇所に変更はない。ロイヤリティ率60%は希望小売価格(税抜き価格)にかかると今も書いてある。
ちょっとだけ検索してみたが9月13日現在、このことについて書いているブログ等は見つからなかった。
というわけでほぼ何もわかっていないのだが、アマゾンが何か変えたらしいことと、それによる変動分が「ロイヤリティ率を消費税分にもかけるかどうかによる変動分」に等しいことだけわかっている。
アマゾンがただただ親切で、KDP利用者の利益を増やしてくれたとは考えにくい。何かアマゾンにとってそうするべき理由があるのだろう。
直感的には、来年10月1日から開始される予定のインボイス制度と関係がありそうだ。しかしどう関係してくるのか現時点ではよくわからない。賢い人にはわかるかもしれないが、ぼくにはさっぱりわからない。
(by 風木一人)