大きな大きな天文鳥が飛んできたので、村人たちは提灯を振って広場にみちびきました。
地面に降り立った天文鳥は、ひどい声でギーッと鳴きました。
明かりを食べる天文鳥のために、人々は交代で、くちばしの前で行灯を灯しました。
やがて夜になりました。
鳥の背中に生えた大きな木が、吸い込まれるような暗さになっていきました。
その中に星がひとつ、またひとつと現れ、星図を描き出したのです。
(版画・服部奈々子/おはなし・芳納珪)
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