圜悟和尚の「碧巌録」復刊にあたって(出典:碧巌録「重刊圜悟禅師碧巌集疏」)
圜悟和尚が雪竇和尚の「ポエム百選(雪竇頌古)」の解説を実施して、その真意を禅を学ぶ者たちに示してみせたのは、禅師としての王道と言えるだろう。...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
碧巌録とは、北宋初期、禅宗のお坊さんであった雪竇重顕さんが、『景徳伝燈録』という先師たちの生き様の記録千七百話の中から百話を選び出し、それに頌古という韻文を加えたものに、北宋晩期のお坊さんの圜悟克勤さんが垂示・著語及び評唱を加えたものです。
要するに、雪竇和尚が昔話を元ネタとして書き下ろしたセンス抜群の解説とシュールな詩に、百年ぐらい後になって圜悟和尚が読みにくくなるほど大量にツッコミ、のりツッコミを書き込んだものであるというわけで、ここに収録された文章は、少なくとも三回の編集を経ていることになります。
いわば「四次創作」的な存在というわけです。
用語解説:
碧巌録(へきがんろく)
北宋初期(西暦千年頃)
雪竇重顕(せっちょうじゅうけん)
頌古(じゅこ)
北宋晩期(西暦千百年頃)
圜悟克勤(えんごこくごん)
垂示(すいじ)
著語(じゃくご)
評唱(ひょうしょう)
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