
馮子振による後書き(1317年) 2/2話(出典:碧巌録「跋 馮子振」)<<最終回>>
碧巌録を復刊した後、編集者の張さんの二人のお子さんが相次いで精神を病むという出来事が起こった。 それを知った口さがない連中が「大慧和尚...
東西の古典を、きわめて平易な現代語に訳出する試みです。 意によって大幅に構成を改編し、読みやすくするために潤色を施しています。
碧巌録とは、北宋初期、禅宗のお坊さんであった雪竇重顕さんが、『景徳伝燈録』という先師たちの生き様の記録千七百話の中から百話を選び出し、それに頌古という韻文を加えたものに、北宋晩期のお坊さんの圜悟克勤さんが垂示・著語及び評唱を加えたものです。
要するに、雪竇和尚が昔話を元ネタとして書き下ろしたセンス抜群の解説とシュールな詩に、百年ぐらい後になって圜悟和尚が読みにくくなるほど大量にツッコミ、のりツッコミを書き込んだものであるというわけで、ここに収録された文章は、少なくとも三回の編集を経ていることになります。
いわば「四次創作」的な存在というわけです。
用語解説:
碧巌録(へきがんろく)
北宋初期(西暦千年頃)
雪竇重顕(せっちょうじゅうけん)
頌古(じゅこ)
北宋晩期(西暦千百年頃)
圜悟克勤(えんごこくごん)
垂示(すいじ)
著語(じゃくご)
評唱(ひょうしょう)
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