懐かしいかな、我が部屋。2002号室。
しばらくホテル暴風雨を留守にしていた。わたしの場合ホテルから帰るのではなく、旅を終えてホテルに帰るのだ。世界に二つとない場所、ホテル暴風雨に。
ひと月ほどの、短いがよい旅であった。語ることは多くある。
まずは美しい絵の想い出から。
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伊藤夏紀さんの個展があるというのでニッポンの目白に出かけた。
5月にBFUギャラリーで観た「エメラルド色の陽気な午後」が素晴らしかったからだ。
池袋駅から歩いていくと道端にテンペストさんがいて驚いた。
いやこれは明日館のふくろうだ。
会場は「貝の小鳥」というかわいらしい名前の店である。
古い絵本と木のおもちゃを扱っている。入口からすでに楽しい雰囲気が。
店内には懐かしい絵本、童話を中心に本がたくさん。
嬉しいことに伊藤夏紀さん本人もいらっしゃった。
すらりと長身の女性である。
BFUギャラリーで感銘を受けはるばるやってきた旨伝えると、こころよく作品撮影を許可してくださった。いい人だ。
これが伊藤さん。ではなく、こうもりの天球儀屋さん。伊藤さんの作品。かわいい。
入って左の壁面がメインの展示スペースだ。
擬人化された動物たちはどこかクラシカルな雰囲気が漂う。
ああ、これは!
BFUギャラリー「エメラルド色の陽気な午後」で観たヤギさんとキツネさんだ。
感動の再会を果たし、わたしはいたく満足した。
トーキョー・メジロ、いいところである。志むらのかき氷も美味い。
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伊藤夏紀 個展 「赤い帽子の貴婦人」
9月3日(土)~25日(日)火曜定休
目白 貝の小鳥にて
http://ehon.kainokotori.com/?eid=1297873
土日祝の14時から17時は、伊藤夏紀さん在廊とのこと。
わたしは寄るところがあったので池袋駅から向かったが目白駅の方がずっと近い。徒歩3分。
ブエノスアイレスからでも観にくるべきであろう。
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