Twitterでお話しました
みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第20回 20回記念特別編:バーバパパ〜実現可能などこでもドアで世界旅行を妄想する」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただき、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第20回「バーバパパ」もお聴きになるとより楽しめる内容です。
FAXの元原稿、どうしてますか?
今回のテーマ「バーバパパ」。先週のエッセイのページトップにあった写真は、「これから瞬間移動装置に向かうビアードパパ」のイメージだそうですよ!
とたんに右の瞬間移動エンジニア(たぶん)の女性の微笑みに謎の含蓄を感じてしまいますね。
はい、今回やはりバーバパパそっちのけでどこでもドア、しかも「人間再構成FAX方式瞬間移動装置」のお話となりました。
@mousou_guccy 妄想旅ラジオの「バーバパパ」回もかなりお気に入りなんですが、あの時も「どこでもドア発明」のちょっと怖いお話に、タイムマシンの牧歌的なテイストと好対照だなと思ったんですよね〜
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) March 30, 2021
思わずこんなおしゃべりを。
「タイムマシン発見」は本当に、のどかな話だったんですよね。くわしくは「妄想旅ラジオ」第5回「ゾウムシ」回のオープニングを聴いてみてください。みなさまのおうちにもタイムマシンのひとつやふたつ、きっとあるはず。
@mousou_guccy 物質再構成で生き物が転送できるようになったら、どっちが本来のその人なのかの認定でもめたりするんでしょうか? それともFaxだと原本が手元に残って便利→メールだと原本という概念がナンセンスという変遷同様、コピーかオリジナルかは些細な問題という世界が来るんでしょうか?
— SAITO Ukyo (@ukyo_an) March 30, 2021
もしかしたら最初に入った装置にオリジナルを保存してあるかもしれません
最初に入った装置に戻ってきた時にオリジナルに戻る?— ぐっちー (@mousou_guccy) March 31, 2021
FAXの原稿はわざわざ破棄しない限りそこに残るので、私はてっきり転送するたびにコピーが増えて、いらないオリジナルをわざわざ「削除」していくのか、それとも……!? とディストピアSF的発想をしていたのですが、オリジナルが意識とともに自然と消滅するような、もう少し平和(?)なものなんでしょうか。
最初の装置にオリジナルが残っていて、そこへ意識が戻るとしたら、では移動先にいるコピーの方は? やっぱり怖いような。
コピーロボの悲哀
続いてシャルル大熊さんの質問です。
旅行を楽しむのはコピーで日常に取り残されるのがオリジナル。コピーが帰国したら同一人物が二人。どちらかの人生を選ばなければならない。楽しい体験した方を選びますよね? たしかに大きな問題です。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) March 30, 2021
そう、それそれ!
やっぱり二人になっちゃうのでは、と思いますよね。
ぐっちーさんのご意見は?
パーマンのコピーロボットのようなイメージでしょうかね
— ぐっちー (@mousou_guccy) March 31, 2021
あ、やっぱり二人になっちゃうのですね。
「パーマン」のコピーロボも、鼻をポチッと押した途端に人形に戻るという、かなりかわいそうな存在でした。あれって、またそっくり人間に変身した時、前の記憶が残っていたような気がするんですが、どうでしたっけ?
というか、このようにコピーが増えていく方式だとすると、コピーが瞬間移動装置を使って帰国した場合、同一人物は三人になるのでは!? コピーのコピー生成問題です。大変だなあ。
シャルル大熊さん、ありがとうございます!
吟味した材料を使っております
お次は、トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】さんからのコメントです。
出力先の「白紙?」を考えると、とても怖くなります。
バージンペーパーなのかな?
再生紙なのかな?マニピュレーターやカメラも身体の延長とすれば、いま、火星にもドア?ができましたね?
— トリフィド【いさましいちびの博物愛好家】 (@tri_triffid) March 30, 2021
出力先の紙!
確かにどんな紙にプリントされるか、否、どんな材料で再構成されるかで何かは違うような。
再生紙!! ??
思いつきもしなかったですが、よく考えたら、自分を構成している炭素や水素の原子も、他の生物やら何やらの細胞、空気中や鉱物中にいたものなどのリサイクルなので問題ないかも!?— SAITO Ukyo (@ukyo_an) March 31, 2021
動的平衡という考え方からすると、構成する原子は入れ替わってもその人がその人として認識されるなら、オリジナルもコピーもどうでも良くなってしまいますね
— ぐっちー (@mousou_guccy) April 1, 2021
同じ(種類の)原子で再構成されれば、その原子の来歴は問題にならない。ということでいいんでしょうか。どちらがオリジナルかということより、むしろ「同じ人が二人いる」のが問題ですが、果たして意識が転送された後のオリジナルってどうなるんでしょう。
この問題について、風木オーナーからも質問が。
ぐっちーさんに質問です。「精密スキャナの中に入ってしばらくしたら意識をうしなった」という記憶を持っているのは目的地に着いた自分だけなのか、精密スキャナ内に残った原稿もなのか、どっちでしょう?
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) March 31, 2021
目的地についた自分だけだと信じたいですよね
記憶を持つということはその後があるということなので、原稿に意識を失った記憶がある場合は人道的ではないと思います— ぐっちー (@mousou_guccy) March 31, 2021
意識というものが物質とともに再構成できるからこそ瞬間移動が可能なわけで、ということはオリジナルにも記憶はあるのではと思えてきました。怖い話です。
やっぱり、もしこれが実現したら「瞬間移動装置は必ず往復セット」で、「意識をオリジナルの元に戻す」ところで完了となるのではないでしょうか?
そうするとコピーの扱いが人道的と言えなくなりますが、そこは「コピーだからやむなし」ってことになるんですよきっと。で、コピーもオリジナルも同じじゃないか、差別じゃないかというコピーの悲哀がこの世界にも生じるのです(妄想)。
そのあたりが解決されないと技術的に可能でも実用は難しいということですね。
— 風木一人@ホテル暴風雨オーナー (@Kazeki_Kazuhito) April 1, 2021
真面目に考えればそうなんでしょうね。面白そうですけど。
トリフィドさん、風木オーナー、どうもありがとうございます!
遺伝子以上の共通点
コピーかオリジナルかの問題より、仮にクローン培養と出産を経ずに同じ年齢の同じ人がカジュアルに生まれるようになった時の人間の価値観に興味があります。
生命というものの意味が大きく変わってしまうし、とりあえず少子化問題解決ですね。昔から双子に憧れがありましたが、これで三つ子でも四つ子でも簡単に実現です!
遺伝子が全く同じでも一卵性の双子ならば別人ですが、ぐっちーさん式どこでもドア技術で生まれたコピーは、途中までの記憶までもを完全に共有しているところが凄いです。その後、別の人生を送った場合どれほどの差異が生じるのか、人間の体質・性質の違いは「遺伝か環境か」問題も大きく前進することでしょう。
我ながらあまりにもポジティブすぎる妄想的感想はさておき、遺伝といえば「バーバモジャ」です。
今回の主役のはずがほったらかされていたバーバパパに話は戻りますが、一家の中に、ひとりだけ明らかに形質の異なる子供がいることはみなさまご存知でしょう。体の色が黒(体色はバーバママ譲り)で芸術家肌の「バーバモジャ」。ファミリーの他のメンバーはみんな体表面がつるんとしているのに、モジャだけモジャモジャというかフサフサというか、毛が生えているような見た目なのです。触った感じも違いそうですし、表面積は明らかに違う! どういうことだ? と昔から興味が尽きず、バーバパパでお気に入りキャラといえば「バーバモジャ」でした。ああ、このこともぐっちーさんに聞いてみればよかったです。今からTwitterで聞こうかな?
バーバモジャのモジャモジャはバーバババからの隔世遺伝では? という仮説(妄想)がページトップの絵のアイディアでした。
我が道をゆく芸術家肌とはいえきっと、みんなと違うモジャがあれだけ伸び伸び育ったのは、そのモジャモジャぶりを肯定してくれた優しいおばあちゃんがいたからなのです。その名もバーバババ(婆)。バーバパパシリーズの二次創作ファンアートにして、まさかのオヤジギャグです。誰からうつったんでしょ。ではでは今回はこれにて。
次回のエッセイはみんな大好き、大好きすぎて絶滅のピンチ「ウナギ」がテーマです。どうぞお楽しみに!
妄想旅ラジオ第21回「ウナギ」も、ウナギの神秘の生態のみならず、ぬいぐるみやらウナギの稚魚かまぼこやら、意外なお話がたくさん聴けて超楽しいのでぜひ予習がてらおすすめします。
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