ディストピア上の蜃気楼、転ばぬ先の毒とバグ ぐっちーさんと話そう<77>

レンカク男子 illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「レンカク〜一夫一妻制の人間でよかった」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、どうぞよろしく!

「包容力とは」へのわかりやすいアンサー

シャルル大熊さんからコメントいただきました。

脚いっぱいのレンカク、これ、みなさんぜひ見て欲しいです。「レンカク 足」で検索してみてください! で、ヒナの足がどのへんから出てるのかが不思議なので観察してみてください。

鳥は大抵軽いしヒナなら尚更ですが、とはいえ。

体格差があってメスの方が大きいみたいですから、逃げるのも大変そうです。

「包容力のある人がいい」なんてよく言いますが、「包容力」ってどうにも抽象的に過ぎて意味がわからん。と、昨日までは思っていましたよ。レンカクが教えてくれた。ヒナを何羽も挟んで運べる、これぞ包容力では!?

シャルル大熊さん、どうもありがとうございます!

バグ親子

動物の行動の多くが「本能」のプログラムに従っているといいますが、そのプログラムがけっこうゆるゆる。一見ダメじゃん、と思わせるものの……

あまりにキッチリと合目的的なプログラムでは環境の変化に対応できないから、ゆるい方がいいんじゃないかとも思えます。どうなんでしょう?

子孫繁栄のための育児スキルを他の鳥の子に使ってしまうなんて、バグには違いないですよね。

でもバグの一つや二つないと逆に生き残れないんじゃないかと思うわけなのです。

たしかに托卵を許さない鳥もいます。この違いが謎ですね。

親子丼とフグ毒

ポチ子さんからコメントいただきました。

親子丼いいなぁ〜

本当に節操がない。豚の肉を豚の腸にギュウギュウ詰めて食べる「腸詰」なんかも相当ひどい。でも美味い。罪深い。

特に信仰心のない私ですが「原罪」という概念の発明は必然だと思います。

美味しいもののもたらす幸せって、あれはかなりのモノですよね。

美味しさは生の謳歌の味なんでしょうか。

美味しくて食べ過ぎる系とか、ジャンクフード系とか、タバコアルコール薬物系とか、人類にはいろいろあります。生命誕生というのがそもそも、「散らかってた部屋が突然分子運動で片付いた」レベルの偶然というかバグというか、奇妙な事象に思えます。明らかにエントロピー減少してますしね。

この勘違いがまた、なかなか捨て難いんですよね。

いやどうだろう? 勘違い、なくてもいいのかな?

などと考えていると、トリフィドさんからもコメントが!

えっ、お弁当に一品追加で生卵……? すごいな。それにフグも。

「飢餓や繁殖失敗が常態」

大事なことだからもう一回言っちゃいました。自分が言ったんじゃないですけど。本当にそうですね。失敗して当たり前のチャレンジをし続けて生きているのです。

えっ!?

!!!!

フグの受難ぶりがひどい。

麻酔、せめてもの慰めです。

これもみなさん検索してみてほしいです。フグの歯、人間ぽいです。抜いた歯を差し歯とかにリユースできないものか。天然差し歯。とかまた節操ないこと考えてます。

おお〜! 美食傾向にかけた戦略。

フグにしてみると甘いお菓子みたいに美味しいのか、苦味が美味しいコーヒーみたいなものなのか、興味はつきません。

どんな栄養素が生きるために必須か、それとも毒か、生物は本能で知ったり親や先輩を見習ったりして知るわけですが、「味覚」に従うというパターンもあるわけですね。それって本能で知っているのと同じことなのか、必ずしもそうではないのか、これまた興味がつきません。猫の好き嫌いとかパンダの笹の好みとかの不思議にも繋がりそうです。

うーん、それを聞くと、眠いからコーヒー飲んどこう、に近いような気もしてくる……。

毒が不足だ、という感覚。味わってみたい。

そ、そうか共食いか。しかも赤子か……(本当に味わってみたいか考え中)。

人間は平和だ、と言い切るには確信を持てない世の中ではありますが、何だかんだで多くの野生動物よりは平和なのでしょうか。平和は高度進化の証。理想郷でみんな仲良く暮らす、なんて世界を実現させるのは難しそうですけれど、霊長類たるもの「とりあえず戦乱はない」くらいまでは進化したいものだなあ。

ポチ子さん、トリフィドさん、どうもありがとうございます!!

さて今回の絵。

「レンカク男子」がモテモテな時代が来ているんじゃないかなと。脚はちょっと長過ぎてアレですが、育児スキルが高く、凶暴女子のアプローチからは原則、一目散に逃げて子供を守る。理想のお父さんはライオンとかよりレンカクじゃなかろうかと思った次第です。

では今回はこれにて。次回のテーマは「カッパ」。妄想旅ラジオ第78回「カッパ」に関連した内容です。ぐっちーさんによるカッパの捕まえ方レクチャー、ポチ子さんの「オリジナル妖怪」創作、たまさんの、カッパが入っているわけじゃないのに名前にカッパがつくあの有名お菓子のキャッチコピーの歴史、などなどたっぷり楽しめる名作回。こちらもぜひ聴いてみてください。エッセイはどんなお話になるのか、次回もどうぞお楽しみに!

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