お詫びと訂正番外編:カゲロウの拡張

長年の勘違い カゲロウとウスバカゲロウ

こんにちは。みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

先週のぐっちーさんとX(旧Twitter)で話そう! の「アリジゴク」まとめ記事に、「ウスバカゲロウの成虫は数日しか生きない」と書いたのですが、間違っていました。お詫びして訂正いたします。

なぜ間違いがわかったかと言いますと、黒蘂さんという方からご指摘いただいたからです。

いえいえ余計なものですか! ご指摘ありがとうございます。

えーと、カゲロウとウスバカゲロウは寿命が全然違うくらい別の虫。えっ、そうなの!?

まず見た目を復習。

こちらが、ウスバカゲロウ。

©︎entomart 2006

それでもって、こちらがカゲロウ。

確かに随分違います。
でも、どっちもけっこうはかなそうな見た目といえるような、似ているといえば似ているような?

さらに調べて驚きました。

幼虫が「アリジゴク」なのはウスバカゲロウの方で、カゲロウの幼虫はなんと水生。

なにそれ全然違うじゃないの!

だからそう言ってるだろうって? そうなんですが、驚きました。

知らなかったなあ〜。同じ勘違いしている人、多いんじゃないかなあ。

転載OKしてくださり、ありがとうございます。なんと追加情報まで。

ウスバカゲロウはアミメカゲロウ目、カゲロウはカゲロウ目。分類上、「目」から違うのですね。

ウスバカゲロウは完全変態、ということは、サナギの形態を取るということですね。調べると、幼虫(アリジゴク)が土の中にもぐってサナギになり、羽化して成虫(ウスバカゲロウ)になるとのこと。それに対してカゲロウの幼虫は水生。

そしてこれにも驚いたのですが、カゲロウ(カゲロウ目の方!)の仲間は、水生昆虫としての研究が先に進んだため、幼虫の姿や生態はわかっているものの、成虫との対応がついていない種がけっこうあるとか(Wikipedia調べ)。そんなことってあるのか……継続して観察したり、飼育して羽化させるのがよほど難しいんでしょうか。

そうですそうです、ウスバカゲロウって、カゲロウの羽が薄いやつかと思うじゃないですか。カゲロウよりももっと儚い存在かと思ってしまうというものです。

クサカゲロウってなんだっけ? あの緑色のカゲロウっぽいやつ?

と思って調べると、「緑色のカゲロウっぽいやつ」なところは合っていましたが、衝撃的な事実が明らかに。

クサカゲロウの名は、その草色の体色や、臭いためである(「くさ(い)」カゲロウ)とする説がある。ただし、成虫がくさい匂いを出すのは、日本ではクサカゲロウ属やプレシオクサカゲロウ属、キントキクサカゲロウ属などの一部の種であり、多くの種は悪臭を出さない。 (Wikipediaより)

命名の由来は「におい」説もあるようで。

私は何を隠そう、「クサ」と言われたら「草」と思う回路がよほど強固なのか、クサガメとかクサウラベニタケ(そういう毒キノコがあります)とかで何度も何度も騙されています。だってとっさに「草」だと思いませんか? それに臭いからって名前につけるってどうなんだ。

ああでもクサカゲロウは、体が草色だからかもしれないんですよね。

話が大いに逸れました。

ウスバカゲロウの画像を検索して多数眺めていると、カゲロウとの違いが少し見えてきます。ウスバカゲロウよりフトカゲロウとかのほうが適切な命名ではないでしょうか。

全然違う仲間の名前つけすぎ!

中でもカゲロウを拡張しすぎ!!

ツノトンボって何? ツノあるの!?
(答:かなりツノっぽい触角がある。みなさんぜひ調べてみて)

モドキ出た!!!

と、確かに調べがいがありそうです。

調べると止まらなくもなりそうです。

ウスバカゲロウとカゲロウを混同している方、黒蘂さんのおっしゃる通りかなり多いのではないでしょうか。私もその一人、長年勘違いしていました。そして少し、アミメカゲロウ目とカゲロウ目についての知識が増えました。このまま死ぬまで勘違いし続ける確率もかなり高かったところ、思いがけないご縁で教えていただけて本当に良かったです。

黒蘂さん、どうもありがとうございます。

ではでは今後とも、『妄想生き物紀行』をどうぞよろしくお願いいたします。次回もどうぞお楽しみに! そしてX(旧Twitter)でもお気軽にお声掛けくださいませ。

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