バイオロギングで追いかけろ! 異形の目を持つものたち ぐっちーさんと話そう<83>

理由を問われたら illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

今回も、ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ニシツノメドリ〜ニシツノメドリはキツネ目の男だったのか」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、どうぞよろしく!

近くにいてもなかなか会えない

ニシツノメドリといえば、近縁のよく似た鳥「エトピリカ」が北海道の海にいます。北海道といえばぐっちーさんシティのあるところ。というわけで聞いてみました。

みなさんもぜひ「ニシツノメドリ」「くちばし」「魚」などで画像検索してみてください。すごいから。

やはり生息地が近いのか。しかし不確実なのか。

実は水族館で見たことはあるのです。エトピリカ、「美しい嘴」という意味だそうです。とてもきれいな鳥でした。が、混んでいたし(人間で)、魚はいっぱい持ってなかったし、生息地で見られたらいいなと思います。難しいみたいですけれど。

なぜと理由を問われたら

シャルル大熊さんからコメントいただきました。

あの模様はとにかくすごいですね。「目」は視覚を得る器官であるとともに、視覚を持つ相手に大きさや強さを伝える重要パーツですが、伝え方が独特すぎます。

眩しさの低減……の役にも、立ってるのかもしれません。それなら他にいろいろやり方があるだろう、とすぐに続けて思ってしまいますが。

生物共通の「ええっ!」力を獲得した鳥、それがニシツノメドリなのでしょうか。「眩しさの低減」より納得させられるものがあります。

「ええっ!」力、つまりオーラがすごい鳥なのですね。シャルル大熊さん、どうもありがとうございます!

あまりにニシツノメドリのオーラが気になったので、ついあれこれ検索したところ、あの独特の模様は季節限定らしいです。季節というか、いわゆる「婚姻色」。

繁殖期以外は顔全体が黒っぽく、ツノの模様はあるのだと思いますが、目立ちません。その上驚くことに、あのオレンジ色の大きくてカラフルなくちばしも期間限定で、繁殖期が終わると剥がれ落ちるとか。

参考リンク↓

『エトピリカのくちばしの装飾は外れるのです』(山階鳥類研究所広報ブログ)

キングペンギンのくちばしも、あの鮭の切り身みたいな部分が剥がれ落ちると聞いて驚いたものですが、ニシツノメドリやエトピリカ、それにペリカンの仲間も同様に繁殖期の特別なくちばしが、時期が終わると剥がれ落ちるそうです。つくづく、驚愕ポイントの多い生物です。

上から目線・中から目線で謎を追う

ホテル暴風雨・風オーナーからのコメントです。

超小型カメラの登場で、以前なら考えられなかった映像が見られるようになりました。

キリンの経験するダイナミックな高低差は、鳥の目線とはまた違ったものがありそうで、映像だけでも疑似体験してみたいものです。

中から目線です。
小さい薬を飲むだけで済めば、検査も楽に負担なくできそうなのですが。

2006年といえば17年も前ではないですか。

リンクの記事を読むと書いてあるのですが、小腸ならば小腸、大腸ならば大腸の撮影にそれぞれ最適化されたカプセル内視鏡があり、口から入ってあらゆる消化器官を通過するとはいえ、ひとつで全部の検査ができるわけではないようです。そのうちできるようになることを期待します。

ニシツノメドリの研究も、まだまだこれから進むと思うと楽しみです。

さて今回のタイトル絵ですが、困り顔っぽいところがチャームポイントのニシツノメドリの困りごとを妄想しました。

あの独特すぎる目の周りの模様を目立たせるのも「婚姻色」の一部なのでは。つまり、あった方がモテる?
しかし、サングラスみたいなものと説明されるよりは、孔雀の羽の模様と同じと言われた方が納得はしやすい、ような気がします。

では今回はこれにて。

次回のエッセイのテーマは「キジハタ」。妄想旅ラジオ第84回「キジハタ」に関連した内容です。キジハタというのは別名アコウともいう高級魚。私は名前も知らず、もちろん食べたこともなかったので、妄想旅ラジオで初めて知ってあれこれ新鮮な驚きを得て面白かったです。みなさん、ラジオもぜひ聴いてみてください。妄想旅リスナーの方も、復習&エッセイ予習にもう一度。次回のエッセイもどうぞお楽しみに!

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