X(旧Twitter)でお話しました
みなさまこんにちは。「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。
ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「ホタテガイ〜殻付きホタテガイの焼き方指導」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、お伝えいたします。
先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただくとより楽しめる内容です。
「把握するが尊重しない」という選択
いよいよ「ぐっちーさんと話そう」企画も最終回。
そこで、先週のエッセイにあった「作者の意図を答えよ」という国語の問題へのぐっちーさんの疑問を真面目に考えてみました。
「相手の意図をまったく理解しない」という戦い方も有効なのかと、ネット上の水かけバトルなどを見ていると思わされる昨今ですが、孫氏の兵法には「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とあります。相手の意図なんか尊重せずにぶっ潰すのが目的だとしても、取り敢えず正確に知った方がいいんじゃないでしょうか。古いでしょうか。これからの時代の「正しい国語の問題」とは?
ぐっちーさん、ストレッサー上司の意図を汲む気がなくても正しく把握した方がうまく対策を立てられるので、これからの時代はむしろ「作者の意図を踏まえた上での正しい対処法はどれか」という国語問題がくるんじゃないでしょうか。とすると正解は?
「無視する」?
「お前のせいだよ、と返す」?— 斎藤雨梟 SAITO Ukyo @5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@ukyo_an) May 4, 2024
ハラスメント上司からのストレスを最小化しながら、つつがなく仕事を続けるための「正解」を教えるのが正しい国語のあり方になるのではという予測です。さてぐっちーさんのご意見は。
今の時流は上司が変わらないとハラスメント認定されます
と言うことで、作者が読者の意図を汲み取るようになると思います— ぐっちー (@mousou_guccy) May 4, 2024
ふーむ、国語の問題も出題者が回答者の意図を汲み取らないといかんということか……!?
100ホタテの道も1ホタテから
シャルル大熊さんからの質問です。
ぐっちーさん、連載100回おつかれさまでした。
「作者の意図として正しいものを選べ」という国語の試験問題は考えなくてもいつも正解できたのでわたしは嫌いではありませんでした。
ところで一度に食べたホタテガイの数の最高記録はどのくらいですか?— シャルル大熊 (@charles_okuma) May 3, 2024
100回ものエッセイを執筆、本当におつかれさまでした! 100回の道も1回から。1回目のテーマは「クマ」でしたね。それはさておき、ホタテガイばっかり満腹するほど食べてみたいですが、そもそもどれくらい食べられるんでしょう? みなさん、ぐっちーさんの答えを見る前に予想してみてくださいね。うーん、20個くらいでしょうか。
文章を正しく読み取る能力に長けているのですね
羨ましい限りです
ところで一度に食べたホタテガイの数ですが、個体数でいけば100個体くらいです
ただし、小さなホタテですが— ぐっちー (@mousou_guccy) May 3, 2024
100個体! さすがホタテマスター・ぐっちーさんです。小さなホタテといえども100個はすごいです。食べてみたい、100個。
100個体!さすがです。妄想生き物紀行を一気に読みかえしながら1回につきひとつホタテガイを食べればわたしもぐっちーさんの域に。精進します。
— シャルル大熊 (@charles_okuma) May 4, 2024
ホタテガイに限らず「100」を目指す方にはおすすめです。エッセイを一編読むごとに腕立て1回すれば腕立て100回とか。一編ごとに1キロ走れば100キロとか。夢は広がります。精進是帆立なり。
私も作者の意図を汲み取ることができるよう精進します
— ぐっちー (@mousou_guccy) May 4, 2024
讃え合うクマたち。シャルル大熊さん、どうもありがとうございました!!
バター・アスパラ・塩をご用意ください
続いて、ポチ子さんからの質問です!
BBQとお刺身以外に、ぐっちーさんオススメの食べ方ってありますか?正しい😝作り方と共に教えてください。
— ポチ子 (@mousou_pochiko) May 4, 2024
考えてみたら、殻付きのホタテガイを自分で焼いたことがありません。100個食べたこともありません。もっとホタテガイについて知り且つ食べたいものです。
それは私も知りたいです😀ぜひお願いします!
— 斎藤雨梟 SAITO Ukyo @5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@ukyo_an) May 4, 2024
みなさんメモのご用意を。
バター焼きとアスパラホタテかき揚げです
バター焼きは多めのバターで焼き、焦げ目ができるまで焼くと美味しいです
かき揚げはホタテを小さく切るのがコツです
正しく作りましょう— ぐっちー (@mousou_guccy) May 4, 2024
バター焼きにアスパラホタテかき揚げとな!
北の大地の香りで攻めてきました、ホタテが。正しい食テロです。ちなみに今は深夜です。どうしてくれよう。
了解しました。ちなみに、かき揚げは何で食べるのがオススメですか?お出汁?それとも塩?他にも何かあるのかしら?
— ポチ子 (@mousou_pochiko) May 4, 2024
正しい食べ方をご指南いただかねば。
ホタテとアスパラに関しては塩ですかね
— ぐっちー (@mousou_guccy) May 4, 2024
アスパラホタテかき揚げはホタテを小さく切って作り、塩で食すのが正しいそうですよみなさん。すごく美味しそうです。「不正」にチャレンジする気の失せる盤石さ。あえてチャレンジするなら自分なりのホタテの「小ささ」探しってところでしょうか。
そろそろアスパラガスの季節なので試してみますね〜
毎回フムフムと楽しませていただきました。🐜✖️10ございました😁— ポチ子 (@mousou_pochiko) May 5, 2024
みなさん、ポチ子さんのXにアスパラホタテかき揚げの写真が登場したらご一緒にニヤリとしましょう。何度も登場したらニヤリニヤリとしましょう! 私も食べたいアスパラホタテかき揚げ。
ポチ子さん、どうも🐜✖️10ございました!!
風オーナー、40年来の悩みを相談する
最後はホテル暴風雨風オーナーからの質問です。
ぐっちーさん、連載100回おめでとうございます。そしてありがとうございます。
最後だからホタテと関係ないけれどぼくが40年以上悩んできたことを質問させてください。
軟膏の使用方法のド定番ワード「適量を塗布」についてどう思われますか?適量をどう知ればいいのかわからず40年困り続けています。— 風木一人@5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@Kazeki_Kazuhito) May 4, 2024
「適量を塗布」、あれはすごい。飲用ではなく塗布であることと、適量というものが存在するらしいというくらいしかわからない、限りなくゼロに近い情報度。笑わせてるのかと問いたくなるしれっとした語調。さてぐっちーさんのお答えは!?
今回のテーマそのものではないですか
適量は製薬会社が押し付けるのではなく、使用者の感覚に委ねられているわけですよね
これからもこう言うシチュエーションは増えるはずですので、自分で判断するストレスも増えそうですね— ぐっちー (@mousou_guccy) May 4, 2024
けっこうなストレスです。薬である以上、下限(塗ってもまったく効果がない)も上限(塗りすぎて毒になるボーダーライン)もあるはずだと思うのですが。
「あなたが適切と感じる量が適量なのだ」という意味なのでしょうか。食べ物や趣味の品なら納得ですが、医薬品において使用者の自主性を尊重されても……。
— 風木一人@5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@Kazeki_Kazuhito) May 5, 2024
製品の使用方法の表記全般にどんどんうるさくなってきているわりに、実におおらかなジャンルといえますね。
塗り薬故に、ベタつかない程度に、かつ効能が得られていると感じられる量は自分で見つけるしか無いのかもしれません
一応、患部1平方センチメートルあたりの正しい塗布量は決まっているようですねhttps://t.co/fpPY1SmBrU— ぐっちー (@mousou_guccy) May 5, 2024
おお、1FTUという塗り薬使用量の目安単位が存在した!
FTU(フィンガーチップユニット)という単位があるんですね。勉強になります。
錠剤やカプセル、注射薬などと比べると「おまえ医薬品だろ……?」と言いたくなるゆるさであることは塗り薬の宿命なのでしょうか。— 風木一人@5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@Kazeki_Kazuhito) May 5, 2024
錠剤・カプセルタイプのものは、医薬品でなくサプリメントの類でも「適量をお飲みください」なんて見たことないですからね。
昔、メーカーが推奨する量を聞いて驚いたことを2つ、思い出しました。
その1:歯磨きの正しい使用量はマッチ棒の頭くらい
(えっ、CMでもっとドバッと出しているのでは? 少なくて意外)
その2:日焼け止めクリームの正しい使用量は直径1センチの球くらい
(かなりのスケキヨ感 多くて意外)
ちなみにクリームのたぐいの使用量にはよく「パール粒くらい」と書いてありますが、パールの世界は「5mm玉」「8mm玉」と厳密なサイズ分けがされていることをまさか知らずに書いているわけはありますまい。「何ミリ玉パール粒やねん!」と誰もを偽関西人にするパワーを感じる表記です。さりとて「5mm玉パールくらい」と書くならば「5mm 」と書けば済む話。パールの微妙な立場が興味深いです。
さて、ぐっちーさんご紹介のリンクで「1FTU」という単位について勉強した私が咄嗟に思ったことといえば……
痛みを定量化することに成功し、その単位は「ハナゲ」に決定。1ハナゲの定義は、長さ1センチの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り、抜いた時に感じる痛み
という有名なウソ話を思わず連想しました。
1FTU ほんとうにあるんですね。勉強になります。— 斎藤雨梟 SAITO Ukyo @5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@ukyo_an) May 5, 2024
1hanage がけっこう痛そうなところがまた、たまらないウソ話でした。
あのウソ話は面白かった
共通する痛みの単位が欲しいという願望とハナゲというキャッチー(?)な単語が心に響きました
30年近く前ですね— ぐっちー (@mousou_guccy) May 5, 2024
そんなに前の話でしたか。私は人に教えられてもう少し後に知った気がするので、それだけ長い間生き続けているウソ話だという証拠ですね。
実際には痛みは定量化できない、人それぞれに痛みがあるのだというのは、今回のテーマにも近いものがあります。
語り継がれるウソ話の名作ですね
有益情報も要らんお世話や押し付けもあり玉石混交の「正しい**」話が受け取り手にもたらす利益が定量化されました
単位はHTT (ホタテ)「正しい殻付きホタテガイの焼き方」情報は小さな個人差で受け取り手に利益をもたらすため単位として採用
(注:ウソ)— 斎藤雨梟 SAITO Ukyo @5/19文学フリマ東京【あ-11・12】 (@ukyo_an) May 6, 2024
そもそもこの世に「正しい」ものなどないというのに、どちらが正しいかという争いはなくなることがありません。誰が正しいと決めたものに従うのか、あるいは従わないのかという絶え間ない選択によって正しさと関わらされるのが人の世です。
ですが、ぐっちーさんの主張するように「合理的」「効率的」という意味での正しさは比較的広く受け入れられるものといえるでしょう。たとえば食物を調理する際、好みに左右されにくい「美味しさ」を確実に得られる方法などがそれにあたります。中でも「殻付きホタテガイの正しい焼き方」は、この方法を行った時と行わなかった時の違いほとんど個人差なく誰もが「美味しさの差」として感知するということが実験によって証明されているため、この情報の有用性を「正しい情報」の目安単位として新たに定義する運びとなりました。
正しさの単位は1HTT(ホタテ)
新しい世界標準として使用していきましょう
というウソ話で最後は締めくくりたいと思います。
ご愛読くださったみなさま、「ぐっちーさんと話そう」に参加してくださった方々、100回もの楽しいエッセイを執筆してくださったぐっちーさん、本当にありがとうございました。
100HTTの感謝を込めて!
これからも、ここホテル暴風雨の1010号室「妄想生き物紀行」はアーカイブとして残ります。お好きな時にいらしてください。いつでもお待ちしております。
これからもぜひぐっちーさんのX アカウントにご注目を。そしてホテル暴風雨をどうぞよろしくお願いいたします。