セルフ出版のキンドル電子書籍は売れるか?

前回「キンドル電子書籍のセルフ出版は簡単か?」の続き。

「売れるか?」は釣りタイトルである。『プロの絵本作り』は先月刊行したばかりで、今のところ好調だが、今後どうなるかわからない。ぼくにはまだ売れるかを語る資格がない。1年後には語れるようになることを祈りながら今日書くのは、「売るためにどんなことを考えたか」だ。

本が売れるためには内容に魅力がなければいけない。と同時に、知られる努力が必要だ。どれほどすぐれた内容であっても、知られなければ1冊も売れない。
セルフ出版でも大手出版社から出た電子書籍と同じようにアマゾンの売場にならぶのはすばらしいことだが、数百万冊の中で存在をアピールするのはどう考えてもたいへん難しい。

まずタイトルのことを考えた。タイトルが重要なのは紙の書籍と同じだが、少し違うのは検索への対応だろう。
紙書籍はリアル書店とネット書店の両方で売られるが電子書籍はネット書店だけ。ネット書店では読者は検索で本を探す。だから検索対策がより重要になるはずだ。
絵本を作りたい人に見つけてもらいやすいように「絵本作り」というストレートなワードを入れた。副題「本気で絵本作家を目指す人に」をくっつけたのも検索対策の意味がある。これで「絵本作家」のワードも入った。
想定読者が検索しそうなワードが入っているということは、アマゾンでの検索だけでなく、グーグル等一般の検索エンジンでも見つけてもらえる可能性が高まるということだ。
『プロの絵本作り』は一種のハウツー本でターゲットがはっきりしているからこういうことはしやすい。小説や童話では検索を意識してタイトルをつけるのは難しいだろう。

「プロの」を冠したのは宣伝のためではなく、ぼくの個人的趣味(笑)。今をときめく「ひふみん先生(将棋の加藤一二三九段)」が1980年代に書かれていた『プロの将棋シリーズ』リスペクトだ。わかるのはオールド将棋ファンだけだろうけれど……。

ひふみん先生が若い!【amazonで見る】

続いて表紙。これの重要性も紙の書籍と同じだが、表示サイズを意識しなければいけない点が違う。
とにかくネット上では小さく表示されることが多いから、それでも字や絵が見やすくなければいけない。
アマゾンでの表示サイズを確認しながら、タイトルやコピーが読めるように、字の大きさや背景とのコントラストを調整した。
印象に残る個性的なビジュアルがほしかったので、斎藤雨梟オーナーに盆栽フクロウを依頼した。1巻には1羽の盆栽フクロウ、2巻には2羽の盆栽フクロウ。絵本作りというテーマと直接の関係はないが、インパクト重視でいくことにした。
ぼくはデザインはまったくの素人である。素人がこねくり回すとこねくり回しただけカッコ悪いことになるので、「タイトル・装画・コピーを素直に生かす」ことだけ考えた。凝ったことはしない。平凡が一番。

プロの絵本作り1&2 風木一人

【amazonで見る】

本の存在を知ってもらい、アマゾンの商品ページまで来てもらうことはとても大事だが、そこで内容の魅力を伝えられなければ結局購入してはもらえない。
アマゾンの商品ページには内容紹介欄があり、ジャンルによっては画像を使用した詳細な説明がなされているものだが、なぜか書籍の内容紹介はそっけないものが多い。あれはなぜなのだろう、ちょっと理解に苦しむ。
セルフ出版のKDPでは著者が自由に内容紹介を書ける。4000字以内で、好きなだけアピールすればいい。
『プロの絵本作り』は目次を見れば内容がよくわかる本なので、目次をそのまま全部載せた。キャッチコピーと著書プロフィールも載せた。

もう一つ、アマゾンで販売される電子書籍には「無料サンプル」というのがあって、冒頭部分が試し読みできる。書店での立ち読みのようなものだ。これを購入するかどうかの判断材料にする人は多いだろうから、冒頭からぐっとつかめるような構成が重要だ。

あとは自分のサイトやSNSでの宣伝。せっかく絵本好きな人たちとつながっているのだから、しつこくない範囲で継続的に紹介していこうと思う。
『プロの絵本作り』はホテル暴風雨での連載をもとにした電子書籍で、連載時からの読者がいるし、現在も絵本関連キーワードでの検索流入があるので、このへんが強みといえば強みだろう。

いろいろ考えたけれど、何が効果を上げ何が効果を上げないかはある程度時間が経たないとわからない。
半年ほどしたらまたここで報告したいと思う。

ふつうの出版と違い、何冊売れたかがリアルタイムに近い形でレポートされるのが面白い。しばらくはこれを見て一喜一憂してみよう(笑)。

意外と知らない方が多いけれど、Kindle 電子書籍は専用端末を持っていなくてもパソコンやスマホで読めます!(無料アプリのダウンロードが必要)

次回は『プロの絵本作り』を離れ、電子書籍一般の話に広げてみるつもり。請うご期待。

☆     ☆     ☆     ☆

※『プロの絵本作り』の表紙絵を描いてくれた斎藤雨梟オーナーが、全く違う視点から電子書籍を語っています。こちらもぜひどうぞ。「紙書籍大好き・アナログ派のための電子書籍事始め(3)


スポンサーリンク

フォローする

トップへ戻る