9月13日に「KDPペーパーバックのロイヤリティ計算方法が変わった?」という記事を書いた。
今日はその後の経過報告をしたい。
アマゾンのセルフ出版サービスKDP(kindle direct publishing)で紙書籍や電子書籍を出版していると自分の本の売上レポートが見られる。
電子書籍はリアルタイムに近く、遅くとも購買から数時間以内に反映されているように感じる。ペーパーバック(紙書籍)のレポートは購買が即反映されるのではなく、商品発送後に反映されるので少し遅い。アマゾンプライムの会員なら翌日発送だが、そうでないと発送に何日もかかることがあり、そのぶんレポートに反映されるのも遅くなる。
9月12日に売上レポートを見ていて気がついたのは、ペーパーバックの1冊あたりのロイヤリティが増えていることだった。
同じ1冊売れてもそれによって得たとされるロイヤリティが以前と変わっていた。
具体的には『プロの絵本作り: 本気で絵本作家を目指す人に』のロイヤリティが205円から265円に、『猫が21歳になりました: 慢性腎臓病の診断から1400日を生き抜いて』のロイヤリティが201円から285円になっていた。
これはいずれもKDPの規約で税抜き価格にかかるとされているロイヤリティ率60%が、もし税込み価格にかかるならこうなる、という額になっている。(ロイヤリティの計算式は上記9月13日の記事参照)
が、そのような変更はアマゾンからアナウンスされていないから、なぜこんなことになったのか実際のところまったく不明だった。
それからしばらく経過観察したが、これまでに出版した4冊のペーパーバックすべてで同様のことが起こった。
9月12日から10日間ほどのあいだに売れた(正確にはレポートで報告された)ペーパーバックの売上は例外なく消費税分×60%だけ上乗せされていた。
たぶん9月23日くらいから、新しい販売分の上乗せはなくなり、以前と同じロイヤリティに戻った。
そのときは過去(9月12日~22日くらい)の売上分はまだ上乗せされた金額でレポートに記載されていたが、月末9月30日には当該期間の分も従来からの額に修正された。
修正のお知らせなどはとくになく、過去のレポートはなかったことのようになった。
ちなみに同じ期間、電子書籍の売上ロイヤリティには何の変化もなかった。アマゾンの規約通り消費税抜き価格の70%がロイヤリティとして報告されていた。
この記事を書くにあたってもう一度検索してみたが、この不可解な現象について報告しているブログ等は見つけることができなかった。
さすがにぼくだけということはないにしても、よほど少数のKDP利用者にだけ起こった特殊な現象だったのだろうか。
一種のバグのようなものだったのかもしれない。規約が改正されロイヤリティが上がるのかとちょっとだけ期待したが、そうではなかった。来年スタートのインボイス制度とも関係ないのだろう。
ただし、単なるバグ以上の何かである可能性もゼロではない。実際にアマゾンが何か変えようとしていて、その下準備でどこかいじっていたところ、まちがってユーザーの目に見えるところにまで影響が出てしまったとかそんなことも……。まあないと思うけど。
(by 風木一人)