ある晩、森のはずれに閃光が迸り、耳をつんざくような音がきこえました。
よくあさ、動物たちがそのあたりに行ってみると、たいそう大きなきのこが、空に向かってそびえていました。
日が高くなり、あたたかくなってくると、かさのうらのヒダがひらき、ちらちらと金色の胞子が降ってきました。
その胞子に触れると、みんなとたんにまぶたが重くなり、そろって夢を見たのです。
とほうもない時間を旅してきた、宇宙きのこの見てきた景色。
(版画・服部奈々子/おはなし・芳納珪)
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