版画とちいさなおはなし(12)

「緑の扉」

「緑の扉」

けわしい岩山を何日も、荷物を負ったロバとともに登ります。
空気はうすくなり、川は細くなり、斜面は急になります。
夜は、ロバの腹をまくらに眠ります。
あさになると、また登ります。
そうして昼と夜とを繰り返し、あるとき目醒めると、あなたは何のためにここへ来たのか忘れています。
そのとき、緑の扉があらわれます。
それを見たものの胸には、希望だけが満ちるといいます。

(版画・服部奈々子/おはなし・芳納珪)

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