表現形式としてのコールとレスポンス3

前回お話したジェームス・ブラウンのステージには、JBのコールにレスポンスするメンバーがきちんと居て、ライブ自体がコール&レスポンスのショーのようになっています。
音楽ならば、日本に住むわれわれも気持ちよくコール&レスポンスできます。しかし、さて日常の会話の中でそれが出来るかといえば、事情は異なりますね。これは、会話文化の違いだと考えることができます。

英会話では、相手の話に相づちを打つことが自然に行われます。
Hum hum,Hah,Hahという具合に。
丁寧な人だと、こちらの一文一文、ワン・センテンスに「フン、フン」と返してくれます。僕はしばらく、このレスポンスに慣れませんでした。「リズムがうまく合わなかった」、と言ったほうがいいかもしれません。
会話も、楽器演奏と同じくリズムセッションのようなところがあります。特に、英会話はそれが顕著。だから巷の英会話ポイント集には、「リズムを意識してスピーキング」とか「ワンフレーズで3秒以内に応答を」などの助言が書いてあります。

友達どうしの語らいでは、自然に相づちを打つことも出来るのに、初対面の人やあらたまった場面ではなかなか上手くレスポンスできない。そんなときは相手の話の内容はもちろんですが、話のトーン、リズムにも意識を向けてみましょう。自分が応答するポイントや、話の波のようなうねりが見えてきます。
我々は会話を、言葉で繋ぐものと考え、言葉が内容や意味を伝える主な要素だと思いがちです。でも、リズムや表情、身振り手振りなども大切な要素ですよね。

自分たちがまだ幼い頃、たどたどしい表現ながらも全身で自分が伝えたいことを親や兄弟姉妹に伝えていたと思います。
コミュニケーションが苦手だなあ感じる時には、あの頃のことを思い出し、そこからまたコールとレスポンスを始めればよいのです。
そうすれば、たとえタイミングよくHum hum,Hah,Hahとはいかなくても、相手のことを受けとめ、そして「受けとめたという合図」ぐらいは返すことができるのではないでしょうか。

コール&レスポンス!