
潮時 第三話
大日向峰歩 作・小説『潮時』第三話。『招かざる客』その3。絶対に来てほしくない日に生理が来る。この絶望と苛立ちは女でなければわからないのかもしれません。それでももし、さおりのようなガイドがいてくれたら、少しはその気重な心も軽くなったのでしょうか。
毛と山と鉄を愛するサイコロジストが、漏れ出た内言、綴ります
大日向峰歩 作・小説『潮時』第三話。『招かざる客』その3。絶対に来てほしくない日に生理が来る。この絶望と苛立ちは女でなければわからないのかもしれません。それでももし、さおりのようなガイドがいてくれたら、少しはその気重な心も軽くなったのでしょうか。
大日向峰歩 作・小説『潮時』第二話:『招かざる客』その2。〝予期せぬ来客〟というのも更年期の様々な症状のひとつです。心と体に襲いかかる様々な不調。まるで渦に巻き込まれるように、さおりは不安の沼に沈んでいくのです。
大日向峰歩 作・小説『潮時』第一話:『招かざる客』その1。一人の女が妙な早歩きをして駅へと急いでいた。女の名はさおり。田舎の電車事情において乗り遅れるのは禁忌なのに。それもこれも〝招かざる客〟のせい。駅まで徒歩30分。事の経緯を回想しながらさおりは進む。招かざる客は何物か? ある〝潮時〟の始まりです。
大日向峰歩 作・エッセイ『心を紡いで言葉にすれば』第17回。前回から続く〝他者と群れることの意味を求める旅〟は、精神分析の観点や社会心理学的な視点を経由しつつ、『はいのサイさん』夫婦の同居生活を通して映画『イントゥ・ザ・ワイルド』での名セリフに辿り着きます。
大日向峰歩 作・物語『はいのサイさん、ふたたび』後編。結婚以来初の共同生活は試練の連続。そんな中でようやく見つけた平穏な日々。でもそれも、長くは続かなさそうです。ウイルスがもたらす様々な暮らしの変化は、どうやらサイさんの心にも、ある変化をもたらすのでした。
大日向峰歩 作・物語『はいのサイさん、ふたたび』中編。はいに住むサイさんは、鬼軍曹の妻サイの願いを叶えようとして、生まれて初めてうっかり外の世界へ。しかしそこは完全なる未知の世界。なんとかして元に戻ろうとするサイさんの元に、あの人ならぬあのサイが! 果たしてサイさんは元の世界に戻れるのでしょうか。
大日向峰歩 作・物語『はいのサイさん、ふたたび』前編。時は少し前。はいに住むサイさんのところにも、あのウイルスが何やら影響を及ぼしているようです。愛妻サイとのやり取り(命令)により、サイさんはまたしても冒険の旅に出かけるようです。さあ、今回はどのようなことが起こるのでしょうか。
大日向峰歩 作・エッセイ『心を紡いで言葉にすれば』第16回。他者と群れることの意味とは?学生からの問いに始まる答え探しの旅は、思わぬところで思わぬ出会いをもたらすのかもしれません。集団の有効性について、2回に渡って考えます。
大日向峰歩 作・小説『刺繍』第十三話。介護は時として、そこに居た人たちに罪の意識を残していく。それは後悔となり、ふとした瞬間に思い出される。それはまるで、巻かれた糸の隙間から垣間見える、下に重なる糸。手繰るように解いていくと出てくるもの。願わくばその先に、一筋の光のようなあたたかい糸がありますように。
大日向峰歩 作・小説『刺繍』第十二話。記憶の奥底にあるパンドラの箱は再び沈み、「わたし」は娘として、母である「私」のためにできることを尽くす。介護は、正解のない問いの答えを探すようなもの。それなのに、どうして人は、それが正解か否かを決めようとするのでしょうか。