別訳【夢中問答集】第三十九問 行動が伴わない智者は無価値なのか?

足利直義:なるほど・・・ どれだけ知識が豊富だったとしても行動が伴わなければ「そこら辺のアホウとおんなじ」ということであれば、いわゆる智者は無価値なのですね?

夢窓国師:布袋和尚は言ったよ。

「知識も行動もなくなっちまったら、坊主はもう終わりだ」、とな。

逆に言えば、「どうせ行動が伴わないのなら、せめて知識だけでもあってくれよ」ということじゃな。

もちろん、「せっかく仏弟子になったのだから、どっちもちゃんとやりましょうや」という意味なのは言うまでもない。

某宗派が経典研究を重視しているのは、そこで得た知識を実際の行動に活かしてもらうためなのじゃ。

では何のための行動か? それは自他ともに究極の悟りを得るためじゃ。

せっかく生まれがたい人間として生まれ、会い難い仏教とも出会ったというのに、仏教の知識を世渡りの道具としか見ていないような連中は、そもそも「智者」とはみなされない。

経典研究重視の宗派においてもそうなのじゃ。

我ら禅宗においてどうかなど、言わずと知れたことじゃ!


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