超能力係

みなさまこんにちは。
ベルキャプテンのメジロです。

さっきから探しているのですが、ベルスタッフが誰もいないって、どういうことなんでしょう。あっ、さてはまたツリーハウスで遊んでいるに違いありません。しょうがないなあ、もう。呼び戻しに行くとしますか。

あれ?向こうからいらっしゃるのは、猫丸様とアルバート様のようです。

メジロ:「こんにちは。おや、猫丸様、ご気分でも悪いのでは?大丈夫ですか」

猫丸:「悩みがあって260時間ほど眠っていないので大丈夫です」

メジロ:「な、なんですって!?すぐにお休みになった方がよろしいのでは」

アルバート:「実は今、かくかくしかじかなわけで、猫丸さんの悩みを聞いていたところなのですが、知りたいことがあるらしいんです。メジロさんならわかるかなあ」

メジロ:「どのようなことでしょうか」

猫丸:「宇宙人は、スタッフに入るでしょうか」

メジロ:「それはつまり、スタッフという概念に宇宙人という概念が包含されるかという意味でよろしいので?」

アルバート:「メジロさん、驚くほど慎重で、本当にびっくりするなあ。でも猫丸さんは、何か別の事情があってこそ、それが気になっているんじゃないかと私は……」

猫丸:「そういう意味で96.5%間違いありません」

アルバート:「えっ、そうなんですか?それより、残りの3.5%が気になりますよ」

メジロ:「なるほど、そういう意味でしたら、宇宙人はスタッフに入りません」

猫丸:「そーうーなーんーでーすーかー」

メジロ:「な、何だか大変なことになってます!」

アルバート:「ほらほら、でも猫丸さん、今から臨時スタッフになるなんていうのはどうでしょう?この間は、ふしぎなトラ紳士が臨時総支配人を務めていましたし、チャンスはあるかもしれませんよ」

猫丸:「それは名案です」

アルバート:「立ち直りが早いですよね、猫丸さん。というわけで、臨時スタッフになってもらうのはどうですか、メジロさん。念力係とか、超能力係とか、いかがでしょう」

メジロ:「私からは何とも……ところで念力係とか超能力係って、確かにちょっと便利そうな感じもしますが、いったいどんなことをする係なんでしょうか」

アルバート:「えーと、それはですね」

猫丸:「今からやってみるのです」

メジロ・アルバート「!?」

メジロ:「ま、曲がったスプーンが地面から生えてきました!」

アルバート:「猫丸さん、どうするんですか、そんなもの生やして。それよりほら、重いものを念力で浮かせるとか、瞬間移動するとか、そういうのがいいんじゃないですか。ねえ、メジロさん!」

メジロ:「そ、そうですね……あ、まだぐるぐるねじれ続けてますあのスプーン」

アルバート:「まあまあ、それはいいとして、このホテルのスタッフって、みなさんどういう経緯で採用されてるんですか」

メジロ:「ここで働きたくてやってくる人もいますし、総支配人がスカウトしてきたこともありますし、ケースバイケースですが、大々的に募集したりはしておりませんね」

アルバート:「ははあ、そうでしょうねえ。採用される条件って、何かあるんでしょうか」

メジロ:「う〜ん、どうなんでしょう。やはり私にはわかりかねますが、どうしてそんなことをお知りになりたいのですか」

アルバート:「えっ?いえ、別にその、特に深い意味なんかありませんよ、ははははは」

猫丸:試食会に参加したいのです。毒と無毒の食べ比べではないのです!

アルバート:「試食会?」

メジロ:「例の新種の巨大豆ですね。たしかに試食会の噂はありますが、毒と無毒というのはいったい!?」

猫丸:「それは違うのです!ジュロウシェフが言っていました」

う〜ん、アルバート様もなんだか変だったし、猫丸様はいつものこととはいえ、試食会が毒だとかスプーンを生やしたりだとか、全然意味がわかりません。なんなんでしょう。

あ、こうしてはいられません。ベルスタッフたちを探して連れ戻さないと!何かわかったらまたお知らせしますね。

メジロでした。


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