『たたくと ぽん』ぽんぽんぽん、と話は進み、わんつう、ありゃりゃ、と終わります。

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『たたくと ぽん』(寺村輝夫・さく 和歌山静子・え あかね書房)

「ぼくは王さま」シリーズをはじめ、たくさんの絵本や童話を手がけてきた名コンビの作品です。

ここにでてくる「ぽん」は魔法の言葉。
たまごを「ぽん」とたたくと、ひよこになり、ひよこを「ぽん」とたたくと、めんどりになります。
めんどりを「ぽん」とたたくと、たまごがうまれ、もっと「ぽんぽん」たたくと、たまごがいっぱい。
それが「ぽんぽん」かえって、ひよこたちはでかけます。
行列を作って「わんつう わんつう」。

シンプルでテンポのいい文章と、同じくシンプルでわかりやすい絵が、読者をひきつけてはなしません。これは赤ちゃんから楽しめる絵本でしょう。

絵本を作る立場から見て興味深いのは最後の部分。空にのぼったひよこたちが満月になるところです。
どちらも黄色であることからの連想と思われますが、この飛躍は、ひよこがめんどりになるのとはレベルが違います。イメージ的に離れ過ぎているのです。
ある意味、作家から画家への挑戦といってもいいでしょう。
「これを説得力のある絵にできますか?」
和歌山静子さんがどう応えたかは見てのお楽しみ。

この本は「たまごのほん」という4冊シリーズの中の1冊で、他に『ふたごのたまご』という面白い本もあるのですが、実はそちらでも寺村さんは最後に同じことをやっています。大胆すぎるイメージの飛躍。
和歌山さんも挑戦されて「できない」とは言えませんからね。あわせてご覧になるとさらに楽しめると思います。

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