猫の慢性腎不全には食事療法。食べてくれる療法食を探す。

慢性腎不全の療法食は不味い?

【猫の20歳誕生日記念ブログ第1回はこちらから

ムギが二十歳になれたこと、慢性腎不全が判明してからそれとつきあいながら1000日を生きられたことは本当に幸運だった。
何のおかげだろうと考えると、まず、かかりつけの獣医の先生の治療方針が的確だったのだろう。ちなみにムギは子猫のときからその動物病院でお世話になっている。

慢性腎不全を進行させないための基本は食事療法とお薬だが、まずは食事療法の話。たぶんこれがなにより重要だ。

腎臓病の猫は腎臓のネフロンという組織が壊れて減ってしまっている。壊れたネフロンは再生しないから残った少数のネフロンを大事に使っていかなければならない。
そこで慢性腎不全の猫用の療法食はネフロンの負担を減らすことが最大の目的となっている。具体的にはタンパク質・リン・ナトリウムをふつうのキャットフードより減らしている。

療法食はいろいろなメーカーから出ているし、一つのメーカーから複数の商品が出ていたりもする。
先生はまず各メーカーの試供品を多種類くれた。ヒルズ、ノバルティス、ロイヤルカナンなど、10種類くらいあったと思う。ふつうのフード同様にドライタイプとウエットタイプがある。それを順番に食べさせて、ムギが好むものを探した。

まるで食べてくれないものもあったが、いくつかは明らかに好んで食べるものが見つかったのでよかった。もともと好き嫌いの少ない猫なのだ。
これはじつはとてもとても大事なことである。なかなか療法食を食べてくれない猫もいるらしい。先生も「どうしてもねぇ、ふつうのご飯とくらべると不味いんですよー」と言っていた。
それをさもうまそうにもぐもぐ食べるムギって(笑)。ありがとう、ありがとう。

ムギは「ロイヤルカナン 腎臓サポート」が大好き

猫の腎臓病用の療法食はたくさんあるが、目指すところはどれも同じだ。腎臓の負担となる成分を減らしながら、しかし必要な栄養は含み、さらに猫の食欲をそそらなければならない。
腎臓に優しくするためにひかえているタンパク質やリンはからだに必要な成分でもあるし、皮肉なことにフードの美味しさにつながる成分でもあるらしい。
だから、それらをひかえながらも「美味しい療法食」にするために各メーカーはそれぞれ独自の工夫をこらしている。いい香りをつけたり、食感や大きさに変化をつけたり様々だ。どれが合うかは猫によって異なるから、それを見つけるのがとても大事だ。気に入ってくれるまで根気よく探し続けなければならない。

最初のころは試行錯誤があったが、ムギが2年以上安定して食べているのは「ロイヤルカナン 腎臓サポート」だ。ドライフード、いわゆるカリカリである。
ふつうのと、スペシャル、セレクションと3種類あり、これらを飽きないように時々変えながら回している。
形が、丸、三角、四角なので、うちではそれぞれUFO、おにぎり、トーストと呼んでいる(笑)。

これを少量の水でふやかしてあげる。水をかけるだけだとふやけるのに時間がかかるので10数秒ほどレンジでチンする。熱くなりすぎたときは冷めるのを待ってあげる。
メーカーの推奨でも獣医の先生の推奨でもなく、うち独自のやり方だ。ずっと前、10歳くらいの頃から食べ物を吐くことが増えたので、手作りも含めいろんなご飯を試した結果、ドライフードを少しふやかしてあげるのが一番いいことがわかったため、腎臓病用療法食でも同じやり方をしている。

ただ、ふやかしたドライフードを長時間放置すると悪くなりそうだから、1回の分量を食べきる程度に少なくして、一日に5、6回あげている。
500グラムの袋を食べきるのに平均すると20日かかる。これは遅い。袋には目安として体重3キロの猫が10日から14日で食べると書かれている。ムギは3キロを切っているけれどそれでも20日は遅いだろう。
まあ食が細いのは高齢のせいだからしかたない。ただ、開けてから長くたつと美味しい香りが飛んでしまうから、もっと小分けにした商品があったらいいなと思う。

療法食の効果はてきめんだった

ちなみに腎臓病が発覚する前の7年ほどはシーバを中心に食べていた。いろんな種類があって飽きないのもよかったし、高齢猫用に11歳以上用、15歳以上用があるのもよかった。ムギも気に入っていた。

しかし今思えば最後のころは少量の水でふやかすやり方をしてもよく吐いてしまっていた。
がっと食べて、わりとすぐ消化もされていない状態で吐くので、あわてて食べ過ぎてのどにつかえたのかと思っていたが、やはり腎臓病のせいでだんだんシーバが(というか健康な猫用のふつうのフードが)合わなくなってきていたのだろう。もっと早く気づいてあげればよかった。

療法食にしてからは効果てきめんで、食べ物を吐くことはほとんどなくなった。体内の老廃物・毒素が減って楽になったのだろう。
胃液を吐くことはときどきあるが、これも以前と比べれば回数が大幅に減った。
毛玉は昔からほとんど吐かない。

ムギは療法食(ロイヤルカナン腎臓サポート)を全然嫌がらないので、食事をほぼ完全に療法食に切り替えられた。これが腎臓病を悪化させずにすんでいる最大の理由ではないだろうか。

【次回はお薬の話】

顔を隠して丸まって眠るネコ

丸くなって寝るムギ。顔を隠すのも得意ポーズ。

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