コインスターに394枚の硬貨を入金してみた

悲報:銀行に硬貨を預けると手数料を取られる時代に

2022年1月17日から、ゆうちょ銀行の窓口で硬貨を入金すると手数料を取られるようになった。
50枚までは無料だが、51枚からは550円、101枚以上だと825円、501枚を超えるともっと取られる。
けっこう高い。「銀行に預けただけでお金が減る」残念な状況となったのだ。

ゆうちょ銀行だけではない。メガバンク3行の硬貨入金手数料を比較してみよう。

三菱UFJ銀行は
100枚まで無料、101枚から500枚まで550円、501枚から1000枚まで1100円
みずほ銀行は
100枚まで無料、101枚から500枚まで550円、501枚から1000枚まで1320円
三井住友銀行は
300枚まで無料、301枚から500枚まで550円、501枚から1000枚まで1100円

完全に横並びではない。ゆうちょ銀行の51枚から有料がいちばん厳しい。三井住友銀行の300枚まで無料はこれらの中では太っ腹である。

以上はすべて窓口で硬貨を入金(預け入れ)した場合のことで、ATM利用だと話が違う。

ゆうちょ銀行のATM入金の手数料は、硬貨25枚まで110円、50枚まで220円、100枚まで330円だから、50枚までは窓口より高く、51枚を超えると窓口より安い。
そして三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行ではいずれもATM入金なら硬貨取扱い手数料はかからない。

なんだATMで預ければいいのか、じゃあ解決!

と思われたかもしれないが、ことはそれほど簡単ではない。
経験のある方はわかると思うが、銀行のATMで大量の小銭を入金するのはけっこう面倒だ。
まず、1回に100枚以内しか入金できない。100枚以上なら複数回操作をくりかえすことになる。501枚なら6回だ。
そして硬貨を入れるスリットが細い。ざーっと流し入れられず、数枚ずつ入れるからすごく手間がかかる。
複数種類の硬貨を自動的に計算してくれるのはいいが、これがイライラするほど遅い。あとに並んでいる人がたくさんいる状況で操作もせずただぼーっと待っているのはずいぶん居心地悪いものである。

ポケットチェンジがだめならコインスターだ

小銭など貯まらないという人はいい。しかしどうしても貯まる人も世の中にはいる。お賽銭が集まるお寺や神社がそうだし、お店をやっている人の一部もそうだろう。

昨年以降金融機関が次々と硬貨預け入れへの手数料を導入し、多くの人が困惑し、まず話題になったのが「ポケットチェンジ」だった。

海外旅行で余らせてしまった外貨を日本で使用できる電子マネーに交換してくれるサービスだ。空港だけでなく町中の旅行代理店、商業施設などにも端末が設置されている。
本来の趣旨とは違うが、大量の硬貨の処分にもポケットチェンジが便利だという情報がテレビやネットで拡散された。
しかしたちまち問題が起きた。
「日本円硬貨の大量投入による障害」が急増して2022年1月27日にポケットチェンジは全端末をサービス停止してしまった。
おそらく書いてきたような事情により、運営者の想定をはるかに上回る硬貨が投入されたからだろう。
結局2月9日、ポケットチェンジは日本円の硬貨の取扱いをすべて停止してしまった。公式サイトを見る限り一時的な措置ではない。
大量の硬貨をマシンで扱うのはけっこう難しいことだったのだ。

さて、そこで新たに脚光を浴びたのが「コインスター」だ。
そもそもこの記事はコインスターを使ってみた!ということが書きたくて書いている。やっと本題にたどり着けたわけだ。

コインスターのコピーは「たまった硬貨を手軽に紙幣などに換えられます!」だ。銀行やポケットチェンジと異なり、まさに「硬貨がたまって困っている人」のために作られたサービスなのだ。
30年前アメリカで創業された。イェンス・モルバクというスタンフォード大の学生が硬貨を貯めた瓶を見つめていたときハッとひらめいて、二人のクラスメートと起業したベンチャーだという。
イェンスらが作った、大量の硬貨を高速でカウントするマシンは、1992年サンフランシスコに1号機が設置され、全米に、さらに世界へと広がり、現在ではウォルマート、テスコ、カルフールなど大型商業施設を中心に約24000台が稼働し、年間約430億枚の硬貨がコインスター・マシンに投入されている。

日本には2018年に上陸した。現在全国で約260台というからまだ多いとは言えない、しかし偶然うちの近所にあったのだ。これだ。

スーパーのフロアの一角に自販機と並んでコインスター・マシンがある。

スーパーのフロアの一角に自販機と並んでコインスター・マシンがある。

初めて見たときから気になっていた。もちろんぼくが「小銭の貯まる人」だからだ。お寺の人じゃないし、お商売もしていないが、とにかく貯まる。ズボンのポケットに財布を入れるからだ。財布に小銭が貯まると重くて不快なので、帰宅したらその日受け取った小銭は全部箱に移して財布はお札だけにする。出かけて買い物するたびに箱に小銭が増えていく。これだ。

中身はホノルルクッキーではない。

中身はホノルルクッキーではない。

ほとんど1円硬貨と5円硬貨であるのには理由がある。あとで説明する。

ほとんど1円硬貨と5円硬貨であるのには理由がある。あとで説明する。

コインスターマシンの画面操作

液晶画面の指示に従う

コインスターの使用方法はとても簡単だ。

初期画面に3つの注意書きがある

1、9.9%の手数料がかかります。
2、1回の取引の上限は5万円です。
3、4時間以内に当店直営のレジで商品券としてお使いください。

1がなんといっても重要情報。コインスター利用は無料ではない。約1割減ってしまう。これは銀行と比べて高い場合と安い場合がある。低額硬貨では安く、高額硬貨では高い。銀行の手数料が枚数によって増減するのに対し、コインスターでは金額によって増減するからだ。

三菱UFJ銀行で1円玉を200枚窓口入金したら手数料は550円だが、コインスターの手数料は20円。
三菱UFJ銀行で100円玉を200枚窓口入金したら手数料は550円だが、コインスターの手数料は2000円。

コインスターを利用するなら1円や5円がお得。じつはぼくは以前にも利用したことがありこれを知っているから、100円玉や500円玉と、1円玉や5円玉は別の箱にためてきたのだ。100円玉や500円玉は銀行に入金するのである。

注意書きを理解したら画面にタッチする。画面の指示通り、トレイに硬貨をざっとあける。

コインスターの硬貨トレイ

いったい何枚あるでしょう?

傾けると右の投入口に硬貨が滑り落ちていく。

コインスター入金方法

細いスリットに入れる銀行ATMとは大違い

カウント中。とても早い。分速600枚以上と公式サイトには書いてある。確かにあっという間だった。銀行のATMとはまったく比較にならない。

あてずっぽうで500枚くらいかなと思っていたら、10円硬貨31枚、5円硬貨71枚、1円硬貨292枚で394枚だった。
合計957円だが手数料95円が引かれて862円の引換券が発行される。
コインスターが設置されているスーパーでの買い物に使えて、お釣りがあれば現金で出る。よそでは使えないし、4時間以内に使わなければ無効になってしまう。

これがコインスターだ。

まとめると、

1、手数料が9.9%引かれる。だから低額硬貨の使用に適している。高額硬貨なら銀行窓口の方が手数料がずっと安い。
2、コインスターのマシンは優秀である。ポケットチェンジのように故障しないし、硬貨カウントのスピードはATMの10倍くらい早い。

数百枚以上の硬貨がたまって困っていて、近隣のお店にコインスターが設置されている人は利用する価値があると思う。
近所にあるかは<コインスター・マシン検索>で調べられる。

(by 風木一人)

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