こんにちは。カメです。
そしてカメを作ったホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です、みなさまこんにちは。
なぜカメを作っているか
3Dペンという面白い道具を手に入れて遊んでいる話を以前に書いた。大量の失敗作というかゴミ習作を生産した末、盆栽フクロウの3D盆栽ハウスという、小さな立版古のようなものを作った。動画も撮ったのでよかったら見てください。
これは色々な角度で見たり奥を覗き込んだりすると見えるものが変わり、なかなか面白いんじゃないかと思っている。
この「3D盆栽ハウス」は、紙と3Dペンで作った平面的なオブジェクトを、すべて正面に向けて、奥行きを変えて箱の中に配置したものだ。プラスチックという素材を使っているがまさに「立版古」式。
そして、次は何を作ろうかと考えた結果、3Dペンという素材の面白さを追求するには、やはり本当の「立体」があった方がいいという結論に達した。
立体造形において突出したマイナスの才能を持つ私だ。立体を作るのが嫌で3Dペンに手を出したのだから本末転倒もいいところだ。本末転倒というより、一周まわって元通りである。
でもその方が面白いものが作れそうとあらばしかたがないので、修行をし直すことに決めた。
で、カメである。
粘土でカメを作ることにした。「盆栽フクロウ」や「盆栽カメ」の立体的世界を作りたいのだが、カメの方が安定の良い形状で作りやすそうだったからだ。
粘土にしたのは、木彫とかヌイグルミとかよりは馴染みのある素材だったからというだけに過ぎない。どんな粘土が適しているかわからないし、画材店などに見に行くと知らない新製品も増えている。それぞれの特性を人に聞いたりネットで検索したりして調べてはみたが、経験上、こんなの使ってみなきゃ何もわからないのである。
紙粘土と石粉粘土のカメ
油粘土や小麦粘土(子供の頃の粘土遊びで使ったタイプのやわらかく固まりにくい粘土。そのまま作品にするには向かないがこねて何度もやり直せる)で練習した後、まずは紙粘土で立体カメ。冒頭の写真だ。
カメは甲羅の形だけでも魅力がある。甲羅に絵を描いたら楽しそうだ。紙粘土で亀の甲。紙粘土は軽くて扱いやすく「紙」のやわらかい風合いが特徴。
半立体的なカメも作ってみた。このように薄いものを作ると、乾かして収縮したときに反ってくることが判明。試しに何度か色を重ね塗りしてみると、塗れば塗るほど反る。湿っている状態で矯正できるかと思いきやうまくいかない。
そこで石粉粘土を使ってみた。石粉粘土は石の粉でできた粘土で、乾くと紙粘土より断然硬くなるのが特徴。やはりザラザラしたやわらかめの風合いだ。
上は半立体的なカメ。一番上だけが紙粘土で作り、さらに胡粉を塗ったもの、真ん中と下は石粉粘土で作って乾燥させただけのもの。紙粘土のものは乾かしたときに反ってしまったが、上から水分を与えるとさらに反る。石粉粘土は紙粘土ほど収縮せず、反りも気にならない。表面の風合いもクッキーみたいでいい。樹脂粘土やオーブン粘土という選択肢もあるが、風合いや硬さの点で石粉粘土が気に入ったので、まずは何種かの石粉粘土を使ってみようと思う。
こちらはもう少し平面的なカメ。立体が苦手なのだからこういうタイプの方がうまくできるかと思いきや、細かい仕上げがより大変だ。
こちらは亀の甲。表面にもようを彫ってみた。全体に色を塗って溝のところを白く残してもいいし、溝に色を流し込んでもいいという目論見。
以上、雨の妄想工房にて制作中のものを公開しました。本当に雨がちなので粘土がなかなか乾かないが楽しい。
さてこれらのカメをどう仕上げるのか、3Dペンはどこに出てくるのか、などなど、続きは後日。どうぞお楽しみに。
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