
【 魔の湖底 】(7)
「声をかけていただいた理由ですが……わかりましたよ」 男の口元からフッと引っ込むようにニヤニヤ笑いが消えた。先程から幾度か思ったことなのだ...
「声をかけていただいた理由ですが……わかりましたよ」 男の口元からフッと引っ込むようにニヤニヤ笑いが消えた。先程から幾度か思ったことなのだ...
冒頭から余談で申し訳ないが、今回の「魔談」は連載200回目となった。2016年4月8日から開始したエピソード1「魔の踏切」は全5回、エピソー...
映画「グラン・ブルー」(1988/リュック・ベッソン監督)は御存知だろうか。フリーダイビングの世界記録に挑むふたりの男の友情と戦いの物語であ...
遭難事故は4月6日に発生した。早春の琵琶湖。水温はかなり低かったに違いない。なんらかの理由で転覆した競技用ボート。湖に放り出された11人の青...
人と会話しているとき、相手が笑顔であれば、大抵の人はほっとする。安堵して話をすることができる。しかし例外もある。相手が笑顔や微笑をこちらに向...
ガランとした食堂の端で、賑やかな大学生の団体さんの脇でひとりで夕食、という状況はやはり「酒を飲もうか」という気分からは程遠いように思われた。...
「今年は明智光秀の年」と言えば多くの日本人は即座になんの話かわかるだろうし、説明の必要はないように思われる。その麒麟は次の日曜日、1月5日(...
なにかに蹴つまずいた。慎重に接近したつもりが、やはり光の行方に気をとられていたせいかもしれない。そこは墓場の入口あたりだった。周囲がなにかで...
少し話題が途切れた。TTが焼き鳥を眺めつつ笑った。 「食事時にする話としては……」 「まあ最悪だね」 しかし嫌悪感で食事がまずくなるよ...
教会周囲の夜景を見たいと思った。とはいえ、こんな真夜中に城塞のような教会内で迷ってしまったら大変だ。右手に握っている懐中電灯が心強かったが、...