【 魔の目撃 】(5)

【 魔の目撃 】(5)

現場監督は口ひげ、小太り、黒ブチ眼鏡、といった男で、私は好感を持っていた。当時……この話は1978年頃の話なので、かれこれ40年ほど前の話に...

【 魔の目撃 】(4)

【 魔の目撃 】(4)

建築現場における私の仕事はまさに「日雇い」だった。朝の7時に現場に行き、現場監督からその日の指示を受ける。それまでは全くわからないし、わかる...

【 魔の目撃 】(3)

【 魔の目撃 】(3)

無言と緊迫。たぶん10秒ぐらいだった。しかしそのとき感じた時間。それはもう長かった。 双方ともに暗闇の中で五感を総動員させ、相手の気配を探...

【 魔の目撃 】(2)

【 魔の目撃 】(2)

そこは想像以上に気分のよいところだった。もう一度周囲を見回してだれもいないことを入念に確認し、私は足場の4階に座りこんだ。手の甲で額の汗をぬ...

【 魔の目撃 】(1)

【 魔の目撃 】(1)

大学生時代には「まあずいぶん色々なバイトをやったものよ」といまでもなつかしく思い出すことがある。 中学生の家庭教師、石膏デッサン教室の講師...

【 魔の記憶 】(8)

【 魔の記憶 】(8)

ふと脳裏に浮かんだ光景があった。記憶が曖昧だが、テレビで見た1シーンだ。場所は日本ではなく(たぶん)インドで、寺院を建設(あるいは改修)して...

【 魔の記憶 】(7)

【 魔の記憶 】(7)

「正直に答えてほしいのだけど」と占い女が言った。 「いつもいつも正直に答えてる」 「そういうふうにシャアシャアと言う人は信用できないのよ...

【 魔の記憶 】(6)

【 魔の記憶 】(6)

ふと聞いてみたくなったことを、そのままぶつけてみた。 「過去生、知ってるのか?」 「少しは」 「覚えてたのか?」 「全然ダメ」 ...

【 魔の記憶 】(5)

【 魔の記憶 】(5)

黒ユリ、黒キノコ、黒ボブの3魔女は過去生を信じている、というよりも過去生を研究している。特に熱心なのは黒キノコで、彼女はそのことですごく残念...