AIM製剤の最新情報「宮崎徹教授インタビュー」
このブログではじめてAIM製剤のことを書いたのは2020年8月12日だった。
猫の慢性腎臓病の「進行を遅らせる」のではなく「治す」画期的な新薬が2022年に実用化するかもしれないという話題だった。
ムギほど高齢の猫にも効くのかはわからないのだが、その後も進展が気になってはいた。しかしなかなか新しい情報は出なかった。
それが今日、開発者宮崎徹教授のインタビュー記事が時事通信のサイトに出た。
「『ネコの宿命』腎臓病の治療法を開発 寿命が2倍、最長30年にも 東大大学院・宮崎徹教授インタビュー」
はやる気持ちを抑えて読みましたよ(笑)。
技術的にはすでに公表されている以上の新しい情報はなかった。
そしてAIM製剤の開発・発売に関しては、残念ながら遅れているらしい。
数年かけて進めてきたプロジェクトが新型コロナウイルスの影響で「いったん中断している」そうだ。こんなところにまでコロナの被害が及ぶとはまったく涙目である。
実用化がいつになりそうかの具体的コメントはない。宮崎教授にも「いつ」とは言えない状態なのだろう。ひょっとしたら2022年はもう無理なのだろうか?
AIM製剤のようなタンパク質製剤は新薬開発の中でもとくに労力とコストがかかるそうで、現在いちばんの課題は資金難らしい。
猫を愛する多くの人が一日千秋の思いで待っている薬なのだからクラウドファンディングなどで支援できないものだろうか。
じつはTwitterにToru Miyazakiさんのアカウントがあり、すでに多くの方がクラウドファンディングで支援できないかと提案している。それに対するお返事はこうである。
有難うございます。クラウドファンディングについては、沢山の方々から勧めていただいており、大変感謝しております。ただ、皆さまにご迷惑をおかけしたくないこと、費用の規模が数億単位と非常に大きいこと、そして短期的な還元のお約束ができる類の開発事業ではないことから、躊躇している次第です…
— Toru Miyazaki/宮崎徹 (@Toru51557911) July 11, 2021
「迷惑じゃありません!」と猫好きを勝手に代表して大きな声で申し上げたい。
数億はたしかに大きな金額だが、猫好きの数と熱量もすごいものがある。猫を飼っている人は日本だけで約1000万人、ひとり100円出せば10億円である。いけるいける。1000円で100億。いけるいける。
「短期的な還元のお約束ができない」とおっしゃるが、猫好きは別にリターンなど求めないだろう。AIM製剤が実用化されること自体が超大型ミラクルリターンなのだから。
先生、躊躇は無用です!
『猫が30歳まで生きる日』が発売に!
インタビューの最後に注目すべき情報がある。
8月に宮崎徹教授のご著書が出版されるというのだ。
『猫が30歳まで生きる日 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見』
(宮崎徹著 時事通信社 8月4日発売)
AIMについて詳しく書かれた本は世界初だろう。これでAIM製剤をめぐる現状、これからの見通しがだいぶわかるのではないか。
またこの本によってAIM製剤のこと、猫の慢性腎臓病のことがもっと広く知られれば、開発・実用化に拍車がかかるかもしれない。
まだクラウドファンディングが始まらなくても、この本を買うことでささやかながらAIM製剤開発を応援できる。宮崎教授を後押しできる。
発売が待ち遠しい。早く読みたいなあ。
それにしても宮崎先生、写真を見ると59歳とは思えない若々しさですね(^-^)
(by 風木一人)