食欲増進剤レメロンを試す

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食欲増進剤を処方される

ムギの食欲がない。もともと小食なのにさらにその半分しか食べない。こういうことは過去にもあった。しかし数日で回復していた。今回はちょっと長い。

対策として皮下輸液を増やしてみた。一日1回100mlだったのを、朝100ml、夜50mlにした。獣医さんには以前から「血液検査の結果からすると一日2回でもいい」と言われていた。
しかし皮下輸液を2回にして1週間経っても食欲には回復の兆しがなかった。
腎臓病用の療法食ロイヤルカナン腎臓サポートはドライタイプもウエットタイプもほぼ食べてくれない。「健康缶」と「ちゅーる」は食べていたが、これもだんだん残すようになってきた。

もうしかたない。動物病院に連れていった。食欲不振について相談する。
猫が食べないのには様々な理由がありえる。高齢猫の場合は歯が悪かったり口内の皮膚が荒れていたりが原因のこともあるそうだが、ムギは見てもらってもそのへんに問題はなかった。
食べたい気持ちはあるようでお皿までは行く、でもくんくん嗅いですぐそっぽ向いてしまうと話すと、「腎臓病の猫はそうなんですよねえ」と言われる。わりと典型的な症状らしい。

先生からレメロンという食欲増進剤をすすめられた。食欲増進剤については調べたことがある。一時しのぎのようで気が進まなかったのだが、これだけ食べないともうしかたない。
レメロンは人間用の抗うつ剤で食欲増進は副作用である。もともとは人間用の薬だけれど、猫や犬への使用例も多く、まあ安全といっていいらしい。
ムギの体重に合わせて錠剤の4分の1を投与してもらった。

さて、歩いて10分の家に帰りしばらくするともう変化が現れた。ロイヤルカナン腎臓サポートのカリカリを自分から食べたのだ!
さっきまで鼻先へもっていっても「フン!」と顔を背けていたのに。
薬って効くんだなあ。

同時にいかにも抗うつ剤だなあという反応も現れた。落ち着かないのだ。そわそわ歩き回る。トイレに行くとかごはんを食べに行くとかでなく、あっち行って戻って、そっち行って戻ってという無目的な感じ。よく鳴くし、声もちょっと様子が違う。
5時間くらい続いただろうか。夜寝る前にはだいたい普段通りのムギになった。

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レメロンの効果持続時間は?

翌日の食欲は当日ほどではなくなった。それでもカリカリを食べはする。投薬前よりはずっといい。これがどのくらい続くのかが知りたいことだ。
検索してみるとレメロンを飲んでいる猫さんはけっこういる。食欲増進効果が1週間続くという人もいれば3日くらいという人もいるようだ。初めて飲んだときは長期間効果が続いたが、回を重ねるとしだいに効果持続時間が短くなったという声もあった。なるほど。

とりあえず今回は明らかに効果があったので、また食べなくなったら飲ませたい。
問題はレメロンは錠剤のまま喉の奥に入れてやらねばならないことだ。
これまでムギのお薬はどれも粉末にしてごはんに混ぜて与えてきた。ムギは錠剤を飲ませるのが難しい猫なのだ。上を向かせてもがんとして口を開けない。下あごを下げようとすると怒る。獣医さんでも苦労していたくらいだ。
しかしレメロンは苦いからフードに混ぜたらまず食べてくれないだろうとのこと。やれやれ。

一応錠剤の残りの4分の3をもらってきた。錠剤の飲ませ方も指導してもらったが、自分でムギに飲ませられるか自信がない。ムギはまだ歯がしっかりしているからがぶりと本気噛みされたら流血必至だし、無理に口をひらかせようとしてムギに怪我させるのも怖い。

レメロンと同じ有効成分(ミルタザピン)で、耳に塗って経皮吸収で効く薬もあるそうだ。Mirataz(ミラタズ)という。新しい薬で日本ではまだあまり普及していないから海外から取り寄せとなる、2、3週間かかるかもという話だった。
耳に塗るだけで同じ効果があるならすごく助かる。取り寄せてみようかと思う。

(by 風木一人)

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