ひとひらの雪 2/3話(出典:碧巌録第四十二則「龐居士好雪片片」)

この龐居士という人は、かつて馬祖・石頭の両和尚のところで修行していたのですが、まず石頭和尚に対して「あらゆる存在からかけ離れた人とは、いったいどんな人なのでしょうね。」という質問をしようとしたところ、言い終わる前に口を手で塞がれてしまったのだそうです。

その瞬間に彼は悟りを得て、こういうポエムを作ったとか。

この何気ない日常生活の他に、何も特別なことなどありはしないのだ。

世間で流行っている「○○占い」とか「○○診断」とか「○○検定」とか、まるでどうでもよいことだということがよくわかった!

オレはもう、世間のどんな「資格」にも興味がない。

ああ、我が人生なんと爽やかなことか!

オレは既に充分に超能力者なのだ。

そしてその超能力をフルに発揮して、日常生活をこなしていくのだ!

そして、この悟りを確認するため、さらに馬祖和尚のところにいって同じ質問をしてみたとか。

龐:「あらゆる存在からかけ離れた人とは、いったいどんな人なのでしょうね。」
馬:「オマエが西江の河の水を一口で全部飲み干せたなら教えてやるよ!」

これを聞いた龐居士は今度こそ本当に悟り、こういうポエムを作ったそうです。

全世界をこの身ひとつにまとめあげ、「何もしない」ということを学んだ。

そして今、心さえも空っぽになり、仏の選挙にトップ当選して帰るのだ!

さて、先ほどの話でビンタされた禅僧ですが、彼も相当に修行のできた人だったので、「どこに落ち着くのか」なんていうことはとっくにわかっていたハズです。

で、軽くジャブを入れてみたところ、本気で殴り返されてしまったという次第。
―――――つづく