第1回 プレイボーイ誌の吊り広告に認知症予防効果はあるか?

通勤電車に乗っている間というのは暇なものである。私はスマホを持っていないので、スマホで時間を潰すということはできない。
本を読むこともあるが、乗車時間が短いと、読書が細切れになってしまって、なかなか読み進まず、フラストレーションが溜まる。また、揺れる電車の中での読書は目に良くない。そもそも最近私は、眼鏡を外さないと本が読みにくくなってしまったので、電車の中での読書はつらいのだ。
そんな時に、格好の暇つぶしの道具になるのは、車内の吊り広告である。特に週刊誌の広告は、読むところが多いので、大変頼もしい味方である。週刊ポストと週刊女性の広告が並んでいたりすると、神に感謝したくなる。

だが、ちょっと困るのが、週刊プレイボーイの広告である。ご存知の方が多いと思うが、あの雑誌の広告は、面積のかなりの部分を水着姿の女性の写真が占めているのである。
広告に水着写真を使うというのは、見る人の注意を引くという意味では非常に有効な戦略だろう。人は誰でも、いや、男性なら誰でも(*1)、水着姿の女性の写真が視界に入れば、自然と注意を引かれるものだ。
ところが一つ問題がある。電車の中で、水着写真をじっと見つめる中年男性というのは、景色として非常に良くない。「私は写真を見ているのではありません。写真の横の記事の見出しを読んでいるのです」などと心の中で弁解しても、周りの人に聞こえるわけがない。
したがって、良識ある私としては、あえてあの広告を見ないようにしている。人が「あえて見ないようにする」広告というのは、広告として如何なものかと思うが、それは今回の本題ではない。

このように、自然に注意を引かれる対象を見ないようにしたり、自然にやってしまいそうになる不適切な行動を止めたりする機能は「抑制機能」と呼ばれ、高次の認知機能の一つに数えられる。
認知症においても、個人差はあるが、記憶障害、見当識障害などと並んで、抑制機能の障害が大きな問題になる場合がある。
だとすると、電車の中でプレイボーイ誌の広告を「見ない」ことで抑制機能を訓練すれば、認知症の予防につながるのではないだろうか。
電車通勤の途中でできる手軽な認知症予防法として、流行らせてみてはどうだろうか?
などというアホなことを考えているのが、いちばんの認知症対策かもしれない。

(*1 私だけではないはずだ、と強く主張しておく。)