ぐっちーさんと話そう<15> ハゲてもいい、美味ければ

月夜に妖しく光るツキヨタケの絵

月夜に妖しく光るツキヨタケ illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟

Twitterでお話しました

こんにちは。今週もよろしくお願いします!

みなさまこんにちは。
「妄想生き物紀行」編集担当、ホテル暴風雨オーナー雨こと斎藤雨梟です。

ポッドキャスター・ぐっちーさんのエッセイ「妄想生き物紀行 第15回 ツキヨタケ〜いつもと変わらぬ日常に、突如として起こった悲劇とは」を読んで、ぐっちーさんにあれこれお聞きしたもようを、今回もお伝えいたします。

先週のぐっちーさんのエッセイをお読みいただき、そしてポッドキャスト「妄想旅ラジオ」第15回「ツキヨタケ」もお聴きになるとより楽しめる内容です。

ぐっちーさん、よろしくお願いします

ただ今、後の祭り開催中

先週のエッセイ、緊張感あふれる文章で何が起こるやらドキドキしましたね。

ツキヨタケ、日本の食中毒界の王者と言っていいきのこだそうです。一見食用のきのこに姿が似ているので、みなさまくれぐれもお気をつけください。さて、「後の祭り開催中」とは、ぐっちーさんや私が毒キノコを食べて中毒し、後悔しても後の祭りというお話ではなく……

オーナー風こと風木一人さんからのこんな質問に始まるお話。

ああ、わかります。私は読解に一家言などありゃしませんが、国語の模範解答にいくらなんでもそんなわけないだろ、と思ったことは度々……ってところじゃなくて、ぐっちーさん、なんで作文を連載したいなんて言ってしまったんだか、と悔やんでも後の祭りですよウッシッシ。というのがオチでした。風木オーナー、ありがとうございます。ぐっちーさん、今後ともよろしくお願いしますよ!

クマはきのこを食べるのか

シャルル大熊さんからご質問いただきました。

ツキヨタケはじめ発光キノコが光ることで何のメリットがあるのかよくわかっていないのと同様、毒がある上に美味しいってどういうことだ、というのはいかにも解決の難しそうな問題ですが、果たしてぐっちーさんの見解は。

ちりめん問屋の成敗かどうかはわかりませんが、毒キノコといえば、美味しいので長く食用とされ栽培まで試みられていた「スギヒラタケ」の中毒が相次ぎ、2004年に「毒キノコ」に認定されました。私は、きのこにはまったきっかけの一つである本・小林路子著「きのこの迷宮」を読んでそのことを知ったのですが、当時はきのこ採り界を騒然とさせた大事件だったことでしょう。「きのこの迷宮」という本(名著!)は残念ながら現在入手困難なのですが、小林路子さんのきのこの絵は本当にすばらしいです。

「きのこの絵本」小林路子作

絵本もあるよ!

とりあえず毒きのこの美味は「デレ」ではないということでいいんでしょうか、ぐっちーさん ?

クマといえば鮭をくわえているイメージがありますが、クマは雑食な上意外と狩りや漁は不得手で、木の実など植物性のものをかなり食べているという話も聞きます。きのこは食べるんでしょうかね?

ちりめん問屋といえば、今は地上波でのテレビ放映が終わってしまったあの番組、私は歴代ちりめん問屋隠居光右衛門役では西村晃派、次にやるなら水谷豊さんが面白くていいんじゃないかと思う次第。

気づけば脱線してばっかりでした。シャルル大熊さん、ありがとうございます!

美味いもののためならば

さて私も今回、気になったことをお聞きしました。

そうです、「妄想旅ラジオ」放送でも度々美味しいものが食べたければリスクを覚悟せねばとおっしゃっているぐっちーさん。どれくらいのリスクならば許容できるのか、美味しいきのこはリスクに見合うのか、ぜひ聞いてみたい。

期待以上のご回答をいただきました。髪の毛が抜けてもう生えてこない……いいんですか本当に。

いいんですか、なんて言いながら早速悪魔のささやきをはじめる私であります。

だから何だとは言ってませんよ、言ってませんというのに、

リスクと美味を天秤にかけようアンケート

が実施されることとなりました。

結果はこの通り。私の知る限りの勇者たちの記録でも、ベニテングタケやテングタケは「すごく美味しい」「うま味調味料の原末を舐めているようで味がキツすぎる」など意見が分かれており、果たして本当のところはどうなのか、興味のあるところではありますが、「死んでもいい」って方もいらっしゃるとは衝撃です。

ちなみに私はお腹を壊すくらいは許容します。何度となく牡蠣に当たってひどい目にあっているのに毎年食べています。

さて妄想旅ラジオの「食」担当と言えばこの方、

ポチ子さんから質問です。ムダ毛が消える毒きのこが発見されたら世界の製薬会社が色めき立ちそうですが、それはさておき、

おお、野食ハンター・茸本朗さんのベニテン食レポートですね。フムフム……

……やっぱり中毒したんかい。

本格的に危ないみたいです。「ポチ子さんのベニテン料理」に興味はあれど、是非とお願いするには忍びない……などと思っていると、

ブラックホールのように何でも吸い込み、ブラックホールがお腹を壊すかどうかがほぼ検証不可能である以上、ポチ子さん=ブラックホール説を否定することはできないですね。いや、そんなことが言いたいのではなく、

反芻とかブラックホールとか、食の達人の世界は奥が深すぎます。
達人の域に達するのは生半なことではありませんが、人生いろいろ、時にはお腹を壊し、時には毛が抜けてもめげずに、美味しいものを楽しんでいきたいものです。ところでアンケートで「髪の毛が生えなくなってもいい」と回答した方はゼロでしたが、ぐっちーさんは回答しなかったんでしょうか?

謎は残りますが、今回はこれにて。次回のエッセイは「シカ」です。どうぞお楽しみに。妄想旅ラジオ第16回「シカ」のほうも、世界遺産あり、「しかお君」の尾行あり、異国情緒たっぷりの葉っぱ料理ありで盛りだくさんですよ!

さて今回のページトップの画像、「月夜のツキヨタケ」の柄で生地を作りました。キノコ柄は数多けれど、ツキヨタケ柄は非常にレアです。需要があるのかは我ながら謎ですが、物好きな方、いかがでしょうか。使用例はこんな感じです。毒キノコ柄のくせにいい感じに和柄っぽく仕上がっています。今昔物語にも登場する由緒正しい毒キノコですので。

こちらでご購入いただけます。「月夜のツキヨタケ濃藍の夜」

月夜のツキヨタケ 濃藍(こいあい)の夜

なんと、色違いもございます。「月夜のツキヨタケ紫紺の夜」

月夜のツキヨタケ 紫紺(しこん)の夜

ご意見・ご感想・ぐっちーさんへのメッセージ、オーナー雨へのツキヨタケの絵のご依頼ももちろん、こちらのコンタクトフォームからお待ちしております。

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