たかしまてつをさんインタビュー、いよいよ最終回です。昨日に続き、大磯にオープンしたばかりの At GALLERY N’CAFE についてうかがいます。
左:大きなブタフィーヌさん 右:映画館の椅子があります。
「たかしまさんの作品を飾るためのギャラリーなんですね?」
「まずはぼくの作品を飾りたいけれど、それがマストではないです。オーナーは文なんだし、彼女の好きな方にどんどん変わっていっていい。先のことはむしろ決めずに行きたいんです。始めてみなきゃわからないことたくさんあるでしょう? それに応じて、そのときやりたいことをやっていきたい。
ここは住居兼お店の物件で、お店だけの家賃ってないんですよ。だから利益上げるために無理しなくていい。そこがいいところですね。
これまで通り生活して、仕事して、プラスアルファの空間としてお店がある感じ」
「壁面がそんなに広くないから絵はちょいちょい入れ替えるかもしれません。飾りたいのはたくさんあるし。
立体作品は、オーブン陶土がメインになります。家庭用のオーブンで手軽に作れる粘土の焼き物です。去年「イッテンモノ展」に参加したとき小さい作品をたくさん作ったらこれが楽しくて。
気が向いたときにちょっとずつ焼いて、できたら翌朝お店に置きます。できたてほやほや(笑)」
「気になるカフェメニューは?」
「メニューはシンプルです。メインはギャラリーだし、初めてのお店でそんないろいろはよくばれないから。作品を楽しむついでにコーヒー一杯飲んでくつろいでほしい、が基本です。
ただ何か名物というか、「あそこ行くとアレあるね」がほしいと文と話してて、はたと思いついたのが『スパムむすび』です。
以前ハワイに行ったときスパムのおにぎりを食べて、すごく美味しかったんですよ。帰ってから見よう見まねで文が作ってくれるようになって、これが美味いし、ちょっと珍しいし、うちに遊びに来てくれた友人たちにも評判よくて、うちの定番になったんです」
「大磯はなんといっても海ですから。駅からお店まで7分くらい、お店から海までも10分以内です。海へ行く前によって軽く腹ごしらえしてもらってもいいし、テイクアウトで海で食べてもらってもいいかな、なんて」
「おむすびは海辺でも食べやすいですね」
「知ってますか? 大磯は日本最初の海水浴場なんですよ。明治時代に松本順先生という軍医さんが開いたんです。レジャーではなく、健康にいいという理由だったそうですけど。
だから今も海開きの祭りでは、松本先生の碑にお礼を言ってそれからお神輿が海に入っていくんです。盛大なものですからぜひ一度見に来てほしいですね」
大磯は日本最初の海水浴場。知りませんでした。皆さんはご存知でしたか?
たかしまさん、ロングインタビューありがとうございました!
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「ギターを始めるのに遅すぎることはない」よき師匠、ライターの納富廉邦さんの導きで、たかしまてつをさんは40代でギターを始めました。大人には大人ならではの楽しみ方がある! 幻冬舎plusで連載中<40歳からのハローギター>、読んだらあなたもギターを手にせずにはいられない?
たかしまてつを tt-web
1967年愛知県生まれ。画家/イラストレーター。1999年ボローニャ国際絵本原画展入選、2005年ほぼ日マンガ大賞受賞、2005年二科展デザイン部イラストレーション部門特選賞を受賞。代表作は「ブタフィーヌさん」(ほぼ日刊イトイ新聞)、「ビッグ・ファット・キャット」シリーズ(幻冬舎)。近刊に風木一人との絵本『とりがいるよ』(角川書店)がある。