毎年、誕生日が近づくと、
誕生日までにやっておくことはないか?
今からでも間に合うことはないか?
……と、考えます。
何でもかんでも思いつくままチェックリストを作り、1つでも多くチェックを付けられるように自分に負荷をかけると、充実した気分が味わえます。
今年は、
☑︎ 腕時計を修理に出す
という、今までやった事のないことを思いつきました。
高校生の頃に使っていた、ゼンマイ式腕時計です。
母のお下がりで、当時から古めかしい感じでしたが、さらに何十年も寝かしてヴィンテージ感が増しました。
今ならすごい価値があるのでは?と思いきや、メルカリで中古品が3千円で売られているのを見つけてがっかりしました。
実を言うと私は、もう長いこと腕時計いらない派でした。
しかし、ある日、憧れのピアニストが、腕時計をしてピアノを弾いているのを見て、真似したくなりました。
時計屋さんに見てもらうと、全て分解して部品ひとつひとつ点検・洗浄して組み立てなおす、オーバーホールという作業をすると説明されました。
・オーバーホール基本の値段が2万円程
・部品交換の必要があればさらに追加料金がかかる
・ゼンマイ式腕時計は、故障がなくても5年おきにオーバーホールをした方が良い
……と、言われました。
悩みましたが、5年後はさておき、今回は自分へのプレゼントでやってみることにしました。
修理は1ヶ月ほどかかると言われました。
数十年ぶりにあの腕時計をつけて、ピアノを弾いたらどんな気分だろう?
そんなことを考えながら過ごしていたら、先日、フジコヘミングさんの訃報を知りました。
(津川聡子 作)
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
津川聡子作「やっとこ!サトコ なう」「第154話 ピアニストと腕時計」いかがでしたでしょうか。感情とか感覚とか、そういう括りを超えて心に沁みる音色を奏でたフジコ・ヘミングさん。腕時計の修理にも何かの縁を感じてしまいます。フジコさんの腕時計は一緒に天国に行ったのでしょうか。ピアノとフジコさんを愛したもの同士、これからもサトコさんのピアノと腕時計が素敵な音を奏でてゆけるよう、見守ってくれそうな気がします。フジコさんの魂よ安らかに、サトコさんのピアノはますます楽しく賑やかに!
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