4回にわたって山メシの話をしてきましたが、そろそろ一区切りつけたいと思います。
前回、食材は特別なものではなく、近所で手軽に手に入るものを使っていると書きました。
近年、日本は災害がとても多く、いつなんどき電気や水道やガスが止まってしまうかわかりません。電気が止まったら冷蔵庫は使えません。炊飯器も使えません。
そんな状況で、温かく美味しいご飯を食べるには、という研究も兼ねていますので、日頃からちょっとずつ買ってストックしておけるような食材がいいのです。
フリーズドライ食品や缶詰は基本ですが、私が意外と盲点だったと思ったのは「珍味」。
あれ、いいですよ。
パエリア編とカルボナーラ編で「ドライソーセージ」を使いましたが、あれも珍味の一種ですね。
珍味とは、大雑把に言えば「干し〇〇」です。
干し魚、干し貝、干し肉。
食品を干して保存するという行為は、はるか昔、縄文の頃から行われていたに違いないのです。この人類の叡智を活用しない手はありません。
ちなみに、さまざまな種類の干し果物(ドライフルーツ)とナッツを混ぜたものは「トレイルミックス」と呼ばれ、ハイキング中に歩きながらつまんで栄養補給する「行動食」として親しまれています。
今回注目したのは「ビーフジャーキー」。脂質が少なくたんぱく質が豊富なので、ダイエット食にもいいそうです。これをリゾットにしてみます。
干し肉と米を一緒に煮るなんて、なかなか縄文的ではありませんか。
(※縄文時代、地域によっては米も食されていたことは定説のようです!)
鍋にオリーブオイルを熱し、米を炒めます。
そこへ米の4~5倍の水を加え、ビーフジャーキーも投入。フタはしません。
10分もすると米がふっくらしてくるので、火を止めてしばらくおきます。ビーフジャーキーからダシと塩分が出るので、味付けは特に必要ありません。
米を炊くのは難しそうですが、リゾットなら、たっぷりの水と火を止めた後の「蒸らし」さえ気をつければ大抵なんとかなります。
さらに縄文気分を味わいたいなら、甘栗をプラスしてもいいかもしれません。
(by 芳納珪)
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