
『はいのサイさん』illustration by Ukyo SAITO ©斎藤雨梟
はいのサイさん 大日向峰歩作
わたくしは、サイです。
頭にツノがはえていて、ふつうは、アフリカのサバンナとか、東南アジアの森の中に住んでいる、生き物です。
仲間には、シロサイやらクロサイなどおりますが、わたくしは、ちょいと変わってまして、〝ハイサイ〟なのです。
灰色のサイなんて、別にふつうじゃないか、と思ったかたもいらっしゃるかもしれません。
ハイサイの〝ハイ〟は、灰色のハイではありません。
シロやらクロやらハイやら、それらは確かに色の名前ではありますが、みなさんもご承知のとおり、サイはみんな灰色をしています。
わたくしもそうです。
ですから、わたくしが変わっているのは、そういうわけではないのです。
ハイサイのハイとは、住んでいる場所のことです。
実は、サイの名前には、先ほどお話したような、〝サイ〟の前に色がついているものだけでなく、ジャワとかスマトラのように、住んでいる場所の名前がついているものがあるのです。ジャワという島に住んでいるサイはジャワサイ、スマトラという島に住んでいるサイはスマトラサイとよばれています。どっちも、みなさんが住んでおられるところから、ずうっと南の海に浮かぶ島です。
ハイサイのハイも、島でこそありませんが、それと同じ。つまり、わたくしは〝肺〟というところに住んでいる、〝ハイサイ〟という種類のサイなのです。
***************以上、試し読みとして冒頭部分をお送りいたしました**********
『ハイのサイさん』は紙の書籍になりました。今後、大日向峰歩さんが文学フリマ・ZINEフェスなどのZINEイベントで販売していく予定ですのでどうぞお楽しみに!
くらしくは↓こちらのページ↓をご覧ください
*編集後記* by ホテル暴風雨オーナー雨こと 斎藤雨梟
手作りの羊毛フェルトのサイさんが表紙になった紙書籍版『はいのサイさん』、そして『三陸鉄道乗り鉄子の旅』と新作を揃え、「文学フリマ岩手」を皮切りに本のイベントに峰歩さんが出展予定です。ぜひお近くの方はイベントにお出かけになり、実物をお手に取ってみてください。文学フリマに出がてら鉄道乗るんだろうなぁ……(鉄好きのあなたもぜひ、峰歩さんと鉄トークしにお出かけください!)
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