電車 居眠り 夢うつつ 第34回「情報」いろいろ

前回は、「情報」ということを話題にした。今回はその続き。

普段はそれほど気にならないが、時々ものすごく切実な問題になるのが、医療に関する情報だ。新しい土地に引っ越したときには、近くの病院や診療所の情報が欲しいし、自分や家族が重い病気にかかったら、その病気の治療に適した病院を探さないといけない。
最近は、医療機関の側も、ホームページを整備したりして、積極的に情報を出しているから、インターネットで調べるのも簡単だ。ただ、どんなことでも調べられるわけではない。

ずいぶん前だが、遠い親戚に、けっこう難しい病気にかかった人がいて、なぜか私が相談を受けた。私は医者ではないので、その病気に詳しそうな、知り合いのお医者さんにメールで相談してみた。親切な先生だったので、すぐに返事をくれたのだが、残念ながら、私が期待したような返事ではなかった。要約すると、こんな返事だ。

「残念ながら、私はその方の住んでおられる地方には知り合いがおりませんので、特定の医師や病院をご紹介することはできません。ただ、その病気は、難しい病気ではありますが、現在では治療法がかなり確立していますので、特定の病院や医師でなければ良い治療ができないというものではありません。全国どこの病院でも、同じレベルの治療が受けられるはずです。その点はご安心ください。ただし、その病気の特徴として、症状の出方が多様であり、患者さん
の症状や生活状況などに合わせた、きめ細かな治療をする必要があります。病院の設備や医療技術というより、誠実で親切な医師に診てもらうことが重要だと思います。」

やれやれ。なんてこったい。
厚労省から特別な認定を受けた病院とか、特殊な設備を持つ病院なら、インターネットで簡単に探すことができる。神の手を持つ外科医とか、みんながあっと驚く治療法を開発した内科医とかも、グーグル先生に聞けば教えてもらえるだろう。しかし、「誠実で親切な医師」は、どうやったら検索できるのだろう?
そのうちに、AI先生が「誠実で親切な医師」を探し出してくれるようになるのだろうか?

(by みやち)

☆     ☆     ☆     ☆

ホテル暴風雨にはたくさんの連載があります。小説・エッセイ・詩・絵本論など。ぜひ一度ご覧ください。<連載のご案内> <公式 Twitter