前回に引き続いて、山メシのお話です。
「山の上で、山メシらしくないものを作って食べたい」
この願望が根底にあるのですが、パエリアの後、いろいろ考えて今度はパスタを作ってみようと思い立ちました。
しかし、パスタは通常、大量のお湯でゆでるので、「山にゆで汁を捨てない」という山メシルールに反してしまいます。そこで調べてみると、山でパスタを作る場合は、ごく少量のお湯でゆでることがわかりました。
さらに、普通のパスタは10分前後のゆで時間が必要ですが、早ゆでパスタというものがあることを知りました。スーパーに行ってみると、確かにパスタのコーナーにありました。断面の形状に秘密があって、2分とか3分でゆであがるのです。し、知らなかった……。
このように、何を作ろうか計画する過程で、様々な新しい知識を得ることができるのも、山メシの利点だと思います。
さて、今回作るパスタは「カルボナーラ」です。
題して「ヤマ・デ・カルボナーラ」。
用意するものは
・早ゆでパスタ
・少量の水
・塩
・ここでも大活躍のドライソーセージ
・卵
・粉チーズ
・胡椒
以上です。
……ん? 何か足りない?
そう、カルボナーラには「生クリーム」を入れるイメージがありますよね。
でも、本来カルボナーラには、生クリームや牛乳は使わないそうです。
ゆで上がったパスタに溶き卵をからめるだけ。
予行演習で実際にやってみると、「お箸で卵をほぐしてパスタにかける」行為に、強烈なデジャビュを感じました。カルボナーラを作るのは初めてのはずなのに、この感覚は一体……。
その原因はすぐに思い当たりました。
「卵かけごはん」です。
カルボナーラは卵かけごはんだったのか! と、これも新しい発見でした。
危うく醤油をかけそうになりましたが、正気に戻って粉チーズと胡椒をかけるとあら不思議、ちゃんとカルボナーラになりました。
このときの「ヤマ・デ・カルボナーラの会」には、子どもも含めて5、6人が参加してくれたのですが、作るそばから食べられてしまい、写真を撮ることができませんでした。なので再現写真を載せます。黒胡椒をまぶしたサラミソーセージを使いましたが、やはりあとがけの胡椒もあった方がいいと思いました。
ぜひお試しを!
(by 芳納珪)
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