短編小説一覧

サボテンラジオ(後編)by 芳納珪

サボテンラジオ(後編)by 芳納珪

そんな中、決定的な事件が起きた。ラディカルな発言で知られていたDJが自宅の場所を突き止められ、暴徒に襲われたのだ。容疑者がサボテンラジオリスナーであったことが報道されると、世論は一気にサボテンラジオ撲...

サボテンラジオ(中編)by 芳納珪

サボテンラジオ(中編)by 芳納珪

大学に進むころには、私のサボテンラジオ園はちょっとした名所になっていた。 ステージの中央には、サボテンラジオ第一号の「金鯱」と、第二号でパートナーの「弁慶」がなかよく並んで鎮座している。その周り...

サボテンラジオ(前編)by 芳納珪

サボテンラジオ(前編)by 芳納珪

五年生の夏休みに、サボテンラジオを作った。 バナナでもラジオは作れるが、二、三日で黒くなってしまうのが難点である。 その点サボテンは、鉢植えにすればずっと感度を保つことができるし、棘を...

庭師(後編)by 芳納珪

庭師(後編)by 芳納珪

さっき、どうして気づかなかったんだろう。 延段の石を、最近組み替えた跡がある。橋をかけたときに、いくつかの石を芝生側に移動したのだ。 その、芝生をはがして埋めた石のひとつが、ぽこぽこ動いている...

庭師(前編)by 芳納珪

庭師(前編)by 芳納珪

庭を見ればすべてがわかる。人の心や体は、庭とつながっているから。 毎日歯を磨くように、庭も毎日の手入れが肝心だ。だけど、どうしても気づかないうちに、パーゴラのすみに大蜘蛛の巣がはっていたり、木のうろ...

樹状世界(後編)by 芳納珪

樹状世界(後編)by 芳納珪

ハイイロの翅は、すさまじい力でニニエをつれさろうとする。 メメイは必死にしがみつく。 脚がちぎれるかと思ったとき、めり、と音がした。 ふたりのからだは飛び上がった。 あっ、と思って下を見ると、...

樹状世界(前編)by 芳納珪

樹状世界(前編)by 芳納珪

十六の季節の十五番目、「青い弦」が過ぎ去ろうとしていた。 重力の方向がゆらゆらと変化する日々は、もうすぐ終わる。 あたたかい朝、メメイはお気に入りの枝につかまって、甘いペウをしゃぶって...