短編小説一覧

「栞の木」あとがき的な…by 芳納珪

「栞の木」あとがき的な…by 芳納珪

先週最終回を迎えた短編「栞の木」は、某出版社のショートショートコンテストに応募し、優秀作(入選の下)になった作品です。入選作は出版社のwebサイトに掲載されますが優秀作は掲載されず、でも選評は...

栞の木(6)by 芳納珪

栞の木(6)by 芳納珪

6 しおり――本名栞ミキの親戚を名乗る女性にうながされるままに、私は荷物を持って外へ出た。「煙に当てられて」重くなった頭と体は、きりっとした夜の空気に当たると、少ししゃきっとした。 私...

栞の木(5)by 芳納珪

栞の木(5)by 芳納珪

5 栞の葉の切れ端をたっぷり放り込んだ木組みに点火すると、七色の炎が上がった。 浴衣を着た女たちがその周りで踊り、男たちは勇壮に和太鼓を叩いた。私はしおりの隣に座って、食べたり飲んだり...

栞の木(4)by 芳納珪

栞の木(4)by 芳納珪

4 どちらを向いても山が迫る、谷底の一本道に沿った細長い集落だった。 どの家も古い感じで、街並みは統一されている。でも、前に行ったことのある妻籠宿みたいに、観光地として整備されているわけではな...

栞の木(3)by 芳納珪

栞の木(3)by 芳納珪

3 翌朝、朝食を終えるとすぐに、また車で駅まで送ってもらった。他の泊り客は二、三組いるようだったけど、車に乗ったのは私一人だった。 温泉街なのだから、一泊で帰るとしても、もう少しのんびりするの...

栞の木(2)by 芳納珪

栞の木(2)by 芳納珪

2 半月ほどが過ぎて、いちだんと秋が深まった。 その日、学食のいつものテーブルに、しおりは現れなかった。初めてのことだ。 急用が入ったか、体調でも崩したか。まあそんなこともあるだろうと思って...

栞の木(1)by 芳納珪

栞の木(1)by 芳納珪

しおり〔しをり〕【枝折(り)/栞】 1 紙・布・革などで作り、書物の間に挟んで目印とするもの。 2 簡単な手引書。案内書。「修学旅行の―」 3 山道などで、木の枝などを折って道しるべ...

鳥の民泊(その2)by 芳納珪

鳥の民泊(その2)by 芳納珪

2 適当に休憩しながら自転車を漕いで、多摩川についた。 土手のサイクリングロードに上ると富士山が見えて、思わずおーっと声が出た。 反対側の下流方向を見ると、民泊サイトに載っていた写真...

鳥の民泊(その1)by 芳納珪

鳥の民泊(その1)by 芳納珪

1 庭の柿の木にやってくるヒヨドリから、鳥が運営する民泊があると聞いた。 私の部屋は大家さんが住む家の二階にあり、入り口は独立しているけど、台所の窓が大家さんちの庭に面している。な...