西山雅子さんトークショー:編集者として、ひとり出版社として
この記事では、2019.5/16~5/28 池袋「ギャラリー路草」にて開催中の「ホテル暴風雨展2」
で行われた、「月とコンパス」代表・編集者・西山雅子さんのトークショー「なぜ『ひとり出版社』なのか」
についてお伝えします。
5月19日(日)夕方の部、6つのトークプログラムの3番目です。
この日もたくさんの方が参加してくださいました!
西山さんは元フレーベル館の編集者で、子どもの本を作っていました。
子どもの数が減り、人口が減り、本が売れなくなってきている状況には出版業界の誰もが早くから危機感を持っていたそうです。出版社だけでなく、雑誌など定期刊行物の販売を大きな柱としていた町の本屋さんも、どんどん厳しい状況に追い込まれて数を減らしているのは皆さんご存知の通りです。
そんな中、「ひとり出版社」や小さな個性派書店が増え、その界隈には活気があるようです。しかもこの危機的状況で、なんだか楽しそうにやっている! なぜ? と西山さんは注目していたとのこと。
その興味と関心がこの本『”ひとり出版社”という働きかた』の形に結実した経緯をまずはお聞きしました。
この本は韓国・台湾でも出版され、日本だけでなく国際的な反響を得ました。実際に韓国・台湾に招かれて講演したり現地の様子を見てきた西山さんに、あちらでの「ひとり出版社」の動きも伺いました。日本より人口が少なく、出版界の今後にもっと早くから危機感を持っているだけあり、どちらの国も公的な助成をするなどして自国の出版に力を入れているとのこと。またセンスやアイディアの秀逸な美しい絵本や画集、手作りの本も多数あるそうです。トークショーの最後には、実際に西山さんが韓国・台湾で購入されたたくさんの「お宝本」を自由に手に取れるように見せてくださり、参加者の皆さんも大興奮!
後半はフリーの編集者として本を作るだけでなく、独自のレーベル「月とコンパス」から出版予定の本(主にライブペインティングで活躍中のユニークなアーティスト、近藤康平さんの画集)のお話も。頭の痛い価格設定とコストの問題などお聞きしつつ、進行中の楽しいアイディアにはやはりわくわくします。カラーのダミー本も見せていただきました。
本・出版にまつわエピソードが興味深いのはもちろんのこと、本当に作りたい本、特別な思いのある本を、その作品と作家のためになる形で世に出し、求める人に届けたいという情熱が伝わってくるお話でした。西山さんのお人柄に触れ、ますますファンになった方も多かったのではと思います。月とコンパスの今後にもぜひご注目ください。西山さん、どうもありがとうございました!
後半トークショーのご案内
「ホテル暴風雨展2」は2019年5月28日までです。
トークショーもあと3回開催されます。演者と客席が近く、同じデーブルを囲んでお話する感覚が自慢のトーク、お一人様でもお気軽にご参加ください!
5月24日(金)16:30~18:00 楽しい仏像入門
◇◇田中ひろみ(作家・イラストレーター)
仏像にはいろんな種類や位があります。それらを知って仏像に会いに行くと世界が広がります。田中ひろみさんが仏像のことを楽しくお話ししてくださいます。
5月26日(日)14:00~15:30 小説投稿サイトからデビューする
◇◇芳納珪(よしのけい:小説家)
『天ノ狗(アメノキツネ)』(光文社キャラクター文庫)の著者芳納珪さんに、WEBからデビューした経緯、WEBと紙の感覚の違いなどをうかがいます。
5月26日(日)16:30~18:00 RADIO CRANE’S Now on air
◇◇クレーン謙(イラストレーター・絵本作家)
ラジオドラマあり、弾き語りあり、ラジオ・クレーンズ今夜だけの生放送。ゲストコーナーには絵本作家・なかおまさとしさんが登場!お便りコーナーもお楽しみに!
先着順定員20名様。参加費1500円、事前予約制です。ご希望のトークのタイトルと、お名前、お電話番号、人数をメールでお知らせください。<こちらから>
(注意:折り返し「受付完了のメール」をお出しします。もし翌々日までに届かない場合は<info@hotel-bfu.com>からのメールを受信できる設定にして再送お願いいたします)
ご来場&トークショーへのご参加心よりお待ちしております!
ホテル暴風雨オーナー 風木一人&斎藤雨梟